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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第124回   『立春』
『立春』

拭いても拭いても

窓ガラスはくもり

一寸先は白い闇

踏み出す脚は滑り出す


吹雪いて吹雪いて

窓ガラスに積もり

一寸先は白い闇

差し出すその手もかじかんだ



内なる心も凍えそう

それでも歩みは止めないで

もがきあがいてじたばたじたばた

内なる灯は消さないで


嘲笑う見知らぬ他人は放っておけ

明日の自分に嘲笑れなければそれでいい

滑ってもいい かじかんでもいい

もう一度だけ立ち上がれるなら



明日がたとえ見えなくても

確かな昨日は支えてくれる

冬至は既に過ぎただろう?

終わらない冬なんてないさ



思い込んだら立春だって立派な春

評論家の客観論なんか要らねえよ

一寸先が白い闇だとしても

春は何処へも逃げやしないから



歩き続ける君の華が咲くなんて言えない

でも、歩き続ける君は既につぼみなんだ

どうか君の華が咲き誇りますように……

他人事だけど、僕は本当に願っているよ


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