『立春』
拭いても拭いても
窓ガラスはくもり
一寸先は白い闇
踏み出す脚は滑り出す
吹雪いて吹雪いて
窓ガラスに積もり
一寸先は白い闇
差し出すその手もかじかんだ
内なる心も凍えそう
それでも歩みは止めないで
もがきあがいてじたばたじたばた
内なる灯は消さないで
嘲笑う見知らぬ他人は放っておけ
明日の自分に嘲笑れなければそれでいい
滑ってもいい かじかんでもいい
もう一度だけ立ち上がれるなら
明日がたとえ見えなくても
確かな昨日は支えてくれる
冬至は既に過ぎただろう?
終わらない冬なんてないさ
思い込んだら立春だって立派な春
評論家の客観論なんか要らねえよ
一寸先が白い闇だとしても
春は何処へも逃げやしないから
歩き続ける君の華が咲くなんて言えない
でも、歩き続ける君は既につぼみなんだ
どうか君の華が咲き誇りますように……
他人事だけど、僕は本当に願っているよ
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