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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第119回   『センサー』
『センサー』

足の裏のような鈍感さ

目ん玉のような敏感さ

スイッチで切り替えたほうがいい

でも、鈍感はどこまでも鈍感で

敏感はどこまでも敏感らしい



率直な言葉さえも馬の耳に念仏

毛先をかすめただけで過剰な反応

きっとスイッチが故障してるんだよ

周りのことにはすぐさま気づいても

自らのことにはなかなか気づけない



鈍感すぎても 敏感すぎても

そんなシステムはトラブルの元だろう

それでもスイッチを操作する人が

適切にオン/オフできればいいけれど

操作する人もマニュアルとにらめっこ



早朝の駅でお年よりが倒れても素通り

手の甲が触れただけでも痴漢扱い

いじめがあっても同級生も担任も知らぬ存ぜぬ

死んでもいいから健康でありたい

スイッチはオンなのにオフ、オフなのにオン



操作する人に修理してほしくても

たぶんどうにもできないよ

だってマニュアルとにらめっこだぜ?

システムは自己修復するしかないさ

ちゃんとAIが搭載されてるんだろう?


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