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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第118回   『ことばあそび』
『ことばあそび』

ひらがなを書けない日本人の大人はいない

アルファベットを書けない日本人の大人もいない

文字なら誰でも書けるし、単なる記号でしかない

でも、それを組み合わせるのは別のテクニック



情報伝達ツールとしてなら難しいことはない

けれど、人の心を動かしうる文章ならば至難

俳句はわずか17音、短歌にしてもたった31音

それでも完成された芸術へと昇華しうるのだ



わずか17音でもそれは50音の17乗であり

その組合わせは想像もつかないほどに膨大

詩や小説ならば、それはそれはもう……

10万ピースのパズルなんて目じゃないぜ



画家は絵の具と筆を持つだろう

音楽家は楽譜と楽器を持つだろう

料理人は包丁とまな板が必要だろう

物書きには紙とペンさえあればいい



人の心を動かせる言葉をつむげたらいい

でも、あざとい意図の文章じゃ動かせない

読み手は自由で、感動は結果に過ぎない

それに皆が感動する文章ってなんだ?



僕は僕の思うままに言葉をつむごう

9割9分が読み流す文章で構わない

1分の人の記憶の片隅に残れば十分

それぐらいは僕らにもできるだろう?



文字と文字は化学反応を起こすんだ

その結果として引力が生じるらしい

願わくはこの文章を読んだ誰かとの

引力も生み出せたなら素敵なことだ


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