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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第116回   『マニュアル・ドライヴ』
『マニュアル・ドライヴ』

かつて多くの人を乗せたレールも

今では廃線となり使われていない

新幹線は増えたけれど

年々、在来線は減りゆく

レールに乗ることができたなら

苦悩少なく生きられるかな?



けれど、新幹線の定員は決まっている

乗るための運賃だってバカにならない

駅には在来線を待つ人の群れ

一方、僕はポンコツ車で走り出す

新幹線には追いつけないけれど

先発の在来線には追いつけるかも?



ポンコツ車にCVTやATなんてない

MT、それも驚異の100段MTだ

しかも、ブレーキは軽いのに

アクセルはやたらと重いときてる

一度ブレーキを踏んでしまったら

再び加速するのは一苦労なんだ



若葉マークで僕はときどきエンストしてしまう

そんな僕を尻目にCVTの車が追い抜いて行く

重いアクセルじゃなかなかギアを上げれない

クラッチを何度も何度も踏んでギアチェンジ

とうの昔にCVT車は視界から消えている

新幹線はどこまで行ってしまったのだろう?



他人と比べてしまうから活き苦しい

みんな目指す場所は違っているのに

オドメーターは昨日より10km進んでいた

改ざんしなければ走行距離は増えるのみ

前へ、前へ、ひたすら前へ

僕は僕の目的地を目指すだけ






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