『マニュアル・ドライヴ』
かつて多くの人を乗せたレールも
今では廃線となり使われていない
新幹線は増えたけれど
年々、在来線は減りゆく
レールに乗ることができたなら
苦悩少なく生きられるかな?
けれど、新幹線の定員は決まっている
乗るための運賃だってバカにならない
駅には在来線を待つ人の群れ
一方、僕はポンコツ車で走り出す
新幹線には追いつけないけれど
先発の在来線には追いつけるかも?
ポンコツ車にCVTやATなんてない
MT、それも驚異の100段MTだ
しかも、ブレーキは軽いのに
アクセルはやたらと重いときてる
一度ブレーキを踏んでしまったら
再び加速するのは一苦労なんだ
若葉マークで僕はときどきエンストしてしまう
そんな僕を尻目にCVTの車が追い抜いて行く
重いアクセルじゃなかなかギアを上げれない
クラッチを何度も何度も踏んでギアチェンジ
とうの昔にCVT車は視界から消えている
新幹線はどこまで行ってしまったのだろう?
他人と比べてしまうから活き苦しい
みんな目指す場所は違っているのに
オドメーターは昨日より10km進んでいた
改ざんしなければ走行距離は増えるのみ
前へ、前へ、ひたすら前へ
僕は僕の目的地を目指すだけ
|
|