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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第102回   『キャパシティ』
『キャパシティ』

だれにも嫌われたくないと願う人もいる

でも、四方八方に優しさをふりまいても

きっと、四方八方がふさがるだけだろう

希釈された優しさなんてただの優柔不断

優しさには一定量の優しさが必要なんだ



人によって優しさの容量は違う

後天的に容量を増やすことはできるけれども

六十億人に振り分けられる容量にはなれない

注ぐべき人たちに注げられたらそれで十分

いざというときに優しさが不足するほうが怖い



それに誰彼構わず優しくすることは

対立する人たちの不信を買うだろう

それはだれにも嫌われないどころか

だれにも好かれないかもしれないよ

嫌われることに脅えなくても大丈夫



たとえ、僕が僕を嫌いでも

そして、君が君を嫌いでも

愛してくれる人がたった一人いれば

それだけできっと僕らは生きていける

きっと、僕らは僕ららしく生きていける


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