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作品名:ねぶの詩集3 作者:ねぶ

第100回   『夢なんか見たって届くわけが無い』/『血塗られた手』/『掌』
『夢なんか見たって届くわけがない』

「夢はきっとかなう」なんて聴くと反吐が出る

まるで青汁にソフトクリームを浮かべたようだ

でも、夢も見ない人間には夢はかなわない



花道は全国制覇できなかった

でも、全国制覇を目指したから

全国大会までやってこれたろう



一歩は未だに世界王者じゃない

世界王者になれるかわからない

でも、日本王者にはなっている



「努力なんて無駄、他人は結果しか見ない」

昔、誰かがそんなことをうそぶいたんだ

でも、努力は人のためにするんじゃないよ



「才能がないから」なんてまた誰かは言ったんだ

確かに100%の努力をしても天才にはかなわない

天才とは101%以上の努力をできる人間だから



夢見た場所へたどりつけるかなんてわからない

でも、夢見た場所へ向かった足跡は裏切らない

やらない後悔よりやった後悔のほうがずっとマシ



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『血塗られた手』

「殺すのは良くない」

なんて言うのは簡単だ

でも、僕らの暮らしは

誰かが殺してくれた骸の上にある



それを忘れて

「殺すのは良くない」

なんてよくも言えたものだ

自らの手を穢さなければわからないのか?



累乗を重ねた社会は

限りなく仮想に近づき

そして、現実を忘れた

そこに在るのは0と1



除菌された手はなんと醜いのだろう

血塗られた手のほうが美しく見える

「殺すのは良くない」とまだ言うならば

『よだかの星』を読んだ後に自決しろ



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『掌』

もっと もっと もっと

あなたの掌を

もっと もっと もっと

握っていたかったのに

もっと もっと もっと

あなたの掌は

もっと もっと もっと

遠ざかっていく



ずっと ずっと ずっと

あなたの掌を

ずっと ずっと ずっと

握ると誓ったのに

ずっと ずっと ずっと

わたしの掌は

ずっと ずっと ずっと

遠ざかっていく



二人並んで見上げた夜空の

星もいつかは流れていく

二人並んで見据えた蜃気楼

今はもうどこにも見えない

それでも それでも それでも



きっと きっと きっと

わたしの掌に

きっと きっと きっと

残るぬくもりは消えない

きっと きっと きっと

誰かの掌へ

きっと きっと きっと

そのぬくもりを伝えていく



今はもう忘れた人がいる

今も忘られない人もいる

そのすべてのぬくもりに

ありがとう ありがとう ありがとう



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【あとがき】
100回記念ということで今回は初の3作品同時掲載です。
キリのいい100回で『ねぶの詩集3』を終わらすつもりで、
『ねぶの詩集4』へ移行したかったのですが、
「俺のなかでの節目」がまだついていません。
あと3ヶ月もあれば節目がつきそうなので、
そうなれば『ねぶの詩集4』へ移行します。
108回や110回で終了などと半端になるかもしれません。

こちらのBookstudio関連サイトへ投稿し始めて足掛け7年。
書いた詩は300を超えています。
ここではコメントがほとんどつきませんが、
アクセスの数だけ読まれているわけでそれだけで十分です。
詩作はライフワークになると思います。
今後ともご愛読のほどをよろしくお願いします。


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