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作品名:犯罪とおばあちゃん。 作者:ムク

第1回   1
沖縄の小さな村でその男は生まれました。
名前は龍二。
龍二は小学校までは生まれた村で育ち、中学からは少し都会の町に引越しました。
中学生活は順調かと思われたが、中学3年生頃になると夜中から外出したり、おかしな連中とも付き合っていました。
先輩からオートバイを購入しそれを夜な夜な乗り回す日々でした。
ある日、友人といつものようにオートバイに乗っていると、売店のドアが外れているのを見つけました。
それ程気にもせず、そのまま帰宅しました。
翌日になり、友人が「昨日の売店空き巣入ったみたいよ」と聞き、その時は「そうなの?」と話を流しましたが、その時すでに龍二の頭には犯罪の計画が芽生えていました。
家に帰って、新聞にもニュースにもなってない事を知り、いけるんじゃないか?と思いはじめました。
その日龍二は計画を練っていました。
その計画とは、2人が空き巣に入り、1人が見張るという中学生レベルの単純な計画でした。
翌日同級生1人と車を持っている先輩1人に話を持ちかけました。
2人は乗り気でOKしてくれました。
ここで犯罪3人組の誕生です。
早速車でめぼしい場所を探して、2ヶ所目を付けました。
一つは美容室もう一つは電気屋でした。
そのまま龍二の家に行き、夜になるのを待ちました。
夜の2時頃動き始めました。
バール・ハンマー・鉄パイプなどを持ち美容室に向かいました。
行ってみると車を止める所が無いのです。
仕方が無いので店から少し離れた所に路上駐車して3人で美容室に向かいました。
龍二が裏口に廻り、裏のドアをバールでこじ開けました。
すると「バコンッ」と大きな音がなり3人はびっくりして一旦車に戻りました。
15分程車で様子を見て、「誰も来ないな」と3人で美容室に向かおうとした時
反対側から車が来たので、「この車が過ぎたら行こう」と待っていました。
ところがこの車が美容室の前に止まって動かないのです。
変だな?と思いしばらく様子を見ていると、1人の人が電灯を持ってこっちに向かって来ました。
遠目でしたのでハッキリは見えませんでしたが、反射板みたいな服が見えました。
すると先輩が「警察だ」と言い車を発進させました。
スピードを上げて、見えなくなった所で曲がって公民館の駐車場に車を止めました。
そして3人は公民館の屋上に隠れていました。
ここなら道路から車が見えないし、もし見えても中に人が乗ってなければ大丈夫と考えたのです。
しばらく屋上から道路の様子を見ていると、ゆっくり走る車のライトが見えてきました。
そして公民館の手前でいきなり赤色灯を回したのです。
3人は「ヤバい見つかった」と焦っていましたが、パトカーはそのまま通り過ぎました。
やはりさっき車に向かってきたのは警察官だったのです。
おそらく警報が作動して警察に連絡がいったのだと思います。
念を入れて、そのまま朝方まで屋上で計画を練り直しました。
そして朝になり夕方龍二の家に集合と言うことで解散しました。
家に帰った龍二はどうすれば成功するかと考えていました。
そして考えたまま眠りについていました。
「ピンポン」とチャイムの音で目が覚めました。
2人が来たのです。
3人が揃い、作戦会議です。
色々話を出し合って決まったのが、道具はバールとドライバーだけ!
一人は車の中で見張って人や車が通ったらクラクションを一回鳴らす!という事になりました。
夜まで龍二の家で時間を潰し、12時頃出発しました。
今度は電気屋です。
そこは店の斜め向かいに駐車場があり、店の様子が見える絶好の場所だったのです。
1時間程車の中で店の様子を伺い誰もいないのを確認して、友人がドライバーを持って店に行きました。
まずは窓の鍵の部分をドライバーで割り車に戻って様子を見ました。
窓を割って30分位は警報器が有るか見張ってました。
しばらくしても誰も来る気配が無いので龍二と友人で店に向かいました。
先輩は見張り役です。
さっき割った窓から手を入れて鍵を開け中に侵入しました。
友人がレジの周りを探し、龍二は奥の事務所を探しに行きました。
友人がレジの鍵を探していると、奥の部屋から龍二が手提げ金庫とレジの鍵を持って来ました。
その鍵を使いレジを開けようとした時、「パッ」と外からクラクションが鳴りました。
「ヤバい」と2人はレジの下に隠れました。
隠れながら外の様子を見てみると、おじさんがこっちに向かって歩いて来ます。
どうしよう?と隠れていると、そのおじさんは店の前の販売機で飲み物を買ってどこかに歩いていきました。
安心しレジを開けるとがっかりです。
中には小銭が少し入っているだけでした。
2人はやる気が失せて、手提げ金庫を持って車に戻りました。
そして、そのまま龍二の家に行き、バールやペンチで金庫を壊しました。
徐々に金庫の中が見えてきました。
が、見えてくるのは領収書やレシートばかりです。
軽くショックを受けながらどんどん壊していくと、下の段にお札が見えました。
はやる気持ちを抑えながら慎重に壊していき中を確認すると、現金がたくさん入ってます。
3人で喜びながら数えると、159万円程入ってました。
1人50万づつ分け、端数は車を出してくれた先輩に渡しました。
その瞬間に3人は犯罪の味を覚えてしまったのです。


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