次の日、ケイトは教室に入ると、生徒全員が盛り上がっているのが見えた。「どうしたんだよ、一体?」ケイトが訊くと、幼なじみの聡は「知らねえのかよ?今日転校生が来るんだってさ」と興奮しながら言った。「ふーん・・・」ケイトが興味なさそうにしてるので聡は呆れながら「お前・・・。興奮しねえのか?転校生が来るんだぜ?」と訊いた。「別に・・・」聡は信じられないような顔をした。 その時、橋本がうつむき気味の少女を教室に招き入れた。ケイトはその少女に見覚えがあるような気がした。橋本が顔をあげるように指示すると、その少女は顔をあげた。その瞬間、ケイトはあっと声をあげた。昨日会った少女だったのだ。「どうしたんだ、笹野?」橋本は驚いて訊いた。「いえ、何でもありません・・・」ケイトはそう答えた。「・・・じゃあ、自己紹介して」橋本が少女を指差しながら言った。「はい」少女は黒板に自分の名前を書いた。『鈴木あひる』変わった名前だな・・・。ケイトはそう思った。「鈴木あひるです!みんなよろしくね!」自己紹介が終わったあとあひるは「あの・・・、席はどこですか?」と橋本に訊いた。「・・・ああ、笹野の隣だ」あひるは言われた場所へ向かった。「おはよう・・・」あひるはケイトに挨拶した。「お、おはよう・・・」ケイトは全員に動揺しているように思われないように答えた。あひるはささやくような声で言った。「今日、研究所に来て。昨日の秘密を教えてあげる」この一言にケイトは驚いた。一晩中家で考えていた事がついに明らかになるのだ。その時、昨日の夜の事が走馬灯のように頭をよぎった・・・。
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