誰だってやってるし、悪い事じゃない。 法律とかわかんないけど、合意の上だし大丈夫。 そう思ってた。 「エッチだって初めてじゃないもん。平気だよ」 由香も楓も笑ってる。 「じゃ、うちら行くからね。10時にマックでね!」 それぞれの待ち合わせに向かう。 駅前は,混み合う時間になっていた。
今日、私は、初めて援交の待ち合わせをしたんだ。 ただ、新しいバッグが欲しいだけで。 みんな、簡単に手に入れてるし。 ほんと、簡単だなって思ってるし。 でも、ほんとは何か違うかも…って思ってたりもする。
「こんにちは」 清潔そうな大人の男の声がした。 「咲ちゃんですか?」 「はい」
思ったより若くて、デブッた中年じゃなかった。 まじまじと見てしまった。
(とうとう行くんだ)と思ったとき。
「あんた何してるの?誰よこの人?知り合いなの?」 見知らぬ女が私の手を取り叫んだ。 驚いた私は、「何なの?あんた!しらない!」と手を振りほどき走った。 怖かった。つかまるのかと思った。怖くて震えた。
(こんなことになるならもうしない)そう、思いながら走った。 「まって!…つかまえた」今度は肩を激しくつかまれた。 でも、その人はやっぱり見知らぬ女で……。 「なに?何なんですか?私何もしてないじゃん!」 もしかして、警察なの?私は涙が出そうになるのを必死にこらえて彼女をにらんだ。
!!!
涙が出そうなのは彼女も同じだった。驚いた!警察じゃないの? 「あなた、後悔してたでしょ?」 「……か、関係ないでしょ。マジ、うざいんだけど 親でもないのに何なの?エッチだって初めてじゃないし全然平気なんだよ!」 やっと出た言葉は、裏腹な最低な言葉だった。 由香と楓にも言い訳できる!なんて考えてたし。
あの時、まだ自分のために誰かが何かしてくれるって考えられなかった。 誰かにやられた!って言って自分を守る方法しか知らなかった。 だって、そうしたら皆が慰めてくれるもん。
彼女の手を振りほどき、家までの距離とてもとてもつらかった。 ただ、それだけは忘れられない。私はとてもつらかった。 彼女の話を聞けなかった事も…。
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