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作品名:恋のひとこま。 作者:斎藤 冬

第1回   3ヶ月ルール
 これまでの人生を振り返ってみると、浮いた話が一番多かったのは中学校から就職するまでの学生時代だったように思う。「同じ学年のA君とBさんが付き合い始めたんだって」とか言う噂話も飛び交っていたから、そう思うのは私一人ではないだろう。
 この頃の恋愛関係は長続きしなかった。当時の私はモテるタイプではなかったので、何ヶ月かで別れることはなかったが、それでも平均して1年半しか続かなかった。モテる子達になると3ヶ月くらいのサイクルで付き合ったり別れたりを繰り返していた。

 3ヶ月ルール。
 この頃こんな言葉を聞いた。地元だけのローカルな話かも知れないが、当時、なるほどなと感心したものだ。付き合い始めて3ヶ月くらい経つとマンネリや喧嘩などの原因で別れてしまうという、ジンクスのようなものだ。若い頃はこんな言葉が生まれてしまうほど、とにかく数多くの恋愛をしたものだ。それこそ必死に、急ぐように。
 年齢を重ねた今の恋愛と学生時代のそれとは、やはり異なる。おそらく、背景が違うのだ。学生時代の帰る家があり家族もいる、そんな状況下の恋愛と、大人になってからの社会的責任や将来に対する不安等、諸々を背負った状況下での恋愛が同じはずはない。

 大人の恋愛は、一瞬一瞬が楽しいこと以上に、もっと先の人生を見据えているのだろう。やさしくして欲しいから、相手にもやさしくなれる。相手を理解しようとするから、お互い居心地が良い。恋愛をゆっくりと育む感じ。

 若い頃の、想いを爆発させる恋もいいが、今のスローペースの恋も悪くない。


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