ハラが星になって、1週間。うちは日向くんと一緒にハラの家に行った。 ピンポーン 「はい!」 「あ、ユミちゃん?家に入ってもいいかな?」 「いいよ!ただし、お兄ちゃんの部屋だけね♪」 『日向くん、この子ハラの・・・・』 「うん。妹だよ」 「日向くん、この人誰?」 『あ、皆川水音です。』 「あ!もしかして、金太郎?」 『え?』 あ・・・確か、金太郎だったよね・・・ 『うん。そうだよ』 「私のお兄ちゃんね、いっつも夜になると、金太郎って言いながら泣いてたよ」 『え?いつから?』 「う〜ん・・・中学1年の3学期頃?詳しく覚えてないなぁ・・・」 ハラがうちのために泣いてたんだ・・・あの、ハラが・・・ 日向くんとハラの部屋へと続く階段を上っていった。 「ねぇ、皆川さん」 『なに?』 「あの日、ハラがなんで、皆川さんを呼び出したか知ってる?」 『・・・分かんないよ。』 「これ・・・」 日向くんは自分の携帯を差し出した。そこには、ハラから来たメールの文章が書いてあった。 「僕、席外すね・・・」 そう言って、日向くんはハラの部屋から出て行った。 うちは、ハラからのメールを読んだ。 【俺さぁ、今まで金太郎に言えなかった想いを言うよ。だからさぁ、電話で言っといてくれないか?頼むから!あと、お前金太郎の事好きだったのか?ごめんな。知らずにいて。でも、俺も金太郎の事好きなんだよ!分かるか?】 本当はもっと続きがあった。でも、読めなかった・・・。この事実に驚いたから・・・。うちはハラがゆうゆうの事好きだってずっと誤解してた。ハラは・・・うちの事好きだったんだ・・・。 ハラの部屋を見渡した。キレイに片付けられてる。濡れてる枕シーツ・・・さっき妹が言ってた事、本当なんだ。ハラは泣いてたんだね・・・ 『・・・日記?』 手に取ったノートには、明らかに「日記」って書いてある。
4月6日 今日は中学の入学式。知らない人がたくさんいた。その中の女の子に恋をしてしまった。名前は皆川水音。 『え?これって、一目ぼれ?ハラって、入学式の頃からうちの事好きだったの?』 4月10日 今日は席替え。皆川と隣の席になった。すごく嬉しい。勇気を持って話しかけてみた。やっぱり可愛い・・・恥ずかしかったから、からかってみた。すごく怒ってた。皆川のあだ名を金太郎ってつけてしまった。ごめん。 4月12日 金太郎の性格がものすごく悪い事を知った。かなり、失望した。俺が金太郎に一目惚れした事は、しばらく封印する事にした。 10月20日 金太郎が俺の事好きって言う噂が流れた。これが本当だったらすごく嬉しい。俺は性格の悪い金太郎でも好きなんだなぁ・・・ 2月14日 今日金太郎からバレンタインチョコをもらいそうになった。でも、恥ずかしかったから、逃げてしまった。本当は欲しかったのに・・・ 2月15日 金太郎は今日も俺にチョコを渡そうとしてた。金太郎の照れてる顔も可愛い。結局、チョコをもらった。大事に持ち帰って食べた。正直まずかった。でも、金太郎にもらえた事が何より嬉しい。 3月14日 今日はホワイトデー。金太郎に渡すために、指輪を準備した。告白するつもりだ。なのに、金太郎は、たくさんの女子と帰った。恥ずかしくて渡せるわけねぇだろ! 4月7日 今日から俺は2年生になった。金太郎と同じクラスになった。嬉しい。でも、金太郎は他の男子と話してばっかりいる。それなら、俺もヤキモチ焼かせる事にした。 4月8日 今日は、同じ班の優花って奴に話しかけた。結構話やすかったから、ちょうどいい! 4月10日 いつものように、優花って奴と話してたら、金太郎に睨まれた。悲しい。 4月16日 金太郎が俺の事嫌いになったらしい。俺の事見返すらしい・・・すごく悲しい。 5月19日 金太郎が前よりずっと可愛くなったし、頭もよくなったし、スポーツも出来るようになったし、性格もよくなった。俺の事見返してるのかな? 5月20日 日向が放送で、金太郎に告白した。あいつの勇気はすごいよ。それに比べて俺は・・・でも、金太郎はフッたらしい。よかった 5月30日 あの放送以来、金太郎はほぼ全員の男子に告白されてる。でも、金太郎は全員フッたらしい・・・俺はほぼ全員の男子に無視されてる。 3月27日 今日は卒業式。金太郎に告白しようとしたけど、さっさと帰ってしまった。金太郎は本当に俺の事嫌いになったのだろうか?そうだったら、やだ。 1月12日 高校3年生になるまで、初めて金太郎に会った。少し話した。顔が崩れて行くほど嬉しかった。でも、優花が来たとたんすぐにどこかに行ってしまった。金太郎はきっと誤解してるんだと思う。俺が好きなのは、金太郎なのに。 3月1日 今日、金太郎に想いを伝えるために午前中に日記を書く事にした。多分金太郎は俺の事嫌いだと思うから、断るだろう・・・俺は、中学1年生のときから、6年間、金太郎を愛し続けた。この想いは金太郎にも届くのかな?
日記を読み終わった。ハラはきっとこの後に死んだんだね・・・うちは声をあげながら泣いてしまった。うちは後悔し続けた。きっとハラも後悔してたんだね。うちもハラの事好きだったよ。ハラの事嫌いになってたけど、心の中にはちゃんとハラがいたんだよ・・・ハラ、戻ってきて。お願い・・・ハラ、うちもハラの事愛してるよ。 『和樹・・・』 うちは呟いた。もしかしたら、ハラが戻ってくるかもしれないから・・・・
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