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作品名:思考遊戯 作者:タブ朗

第2回   ドリーマー
物語を考えるのが好きな男がいる。
今日もいつものように空想の世界に想いをめぐらせキーボードを叩く。
ありもしなかった事をいかにリアルに表現できるか?その作業が少し楽しいと思っている。
時にその行為は世捨て人のようであったりもするが楽しいから良しとしている。
その男はある日ある人にこんな話を聞かされた。
人間が想像できる事は全て実現可能だという話だ。
「昔の人は遠く離れた人とリアルタイムで話せる時代が来るなんて予想もできなかった。
だがそれを想像できる人がいたから電話ができた。
今ならスカイプとかYahooメッセンジャーとかMSNメッセンジャーとか、、、
そういう便利なものもある。
想像する事ができたから創造できた。そうだろ?」
とその人は言った。
「じゃあ俺が考える事は全て実現可能という事か?」
男は空想の世界に想いをめぐらせキーボードを叩いてみる。
特に実現不可能そうな空想をしてみる。
色々な便利な道具が次々に飛び出すポケットの開発、、、
駄目だこれじゃどらえもんのパクリじゃないか。
バージョンアップのたびに買い替えを催促されずに済むOSの開発、、、
こういうのは、いつか誰かがやってくれるだろう。
そういう技術をもってない人間が考える話じゃない。
待てよ、、、考えるだけなら自由って事か、、、
実現不可能そうな空想、、、
山田花子と、もこみちの結婚?これはいくらなんでも不可能だろ?
男は空想するのが馬鹿らしくなってキーボードを叩くのを辞めた。

お終い。


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