「どういう事だ!?」 「お前が選んだ事だ!!」 「え!まさか!!」 「お前は知っているはずだ!?」 遠くから北村の声が聞こえる 「山口さん!!山口さん!。。」 陸は飛び起きた 「どうしたんですか?かなりうなされてましたよ。昨日の話、本当なんですか?」 陸は何かを確認しながら答えた。 「ああ。。。。。」 陸はある思いに悩まされている。 「そんなはずはない。そんな::::」 「山口さん!!?大丈夫ですか!?」 陸は昨日、北村と夜遅くまで飲んでいた。その後、北村が自宅に泊まった事は覚えている。 その後如何したかが記憶に無い。 「山口さん昨日、相当飲んでましたよ。大丈夫ですか?何か変な事も言ってたし、、、」 陸の全身に悪寒が走った。 「俺、昨日何を言っていた??何を??」 「いや、何かですね。時間が無い。もう時間が無いって、繰り返してましたよ。何の時間が無いんですか?って聞いても。時間が無いって。。。昨日の山口さんはちょっと変でした。まあ、昨日は結構飲みましたので、僕もあんまり覚えてないんですけど:::::」 陸は必死で記憶を辿った。頭が割れるように痛い、心の中が何かを感じとっている。 「俺は知っている::::」 「俺は知っている???」 陸は呟いた。 「山口さん、どうしたんですか?大丈夫ですか??山口さん」 「ああ、すまないナオ君、コンビニで飲み物を何か買って来てくれないか?酒がかなり残っているようだ。。。」 陸は財布から、お金を取り出すと北村に渡した。 「わかりました。何がいいですか?」 「ナオ君に任せる。」 北村がコンビニに向かった後、陸は感じている事を頭の中で整理し始めた。陸は知っているという言葉がどうしてもひかかっていた。 「知っている?わからない?どういう事だ?俺に何かが起こっている。」 ドアが開く音がした。北村が帰ってきたのだろう。
「陸!!ひどいじゃない!!」 目の前に現れたのは、由美だった。 「陸!今、何時と思っている!!??」 陸は携帯に目をやった、電源が切れている。陸は近くの腕時計に目をやった。 時刻は11時になっている。 「しまった、寝過ごした。」 陸は由美と今日、会う約束をメールでしていた事を思い出した。 「携帯も繋がらないし、連絡もくれないし、陸は来ないし!!どういう事!?」 由美がかなり怒っている事は陸にも伝わってきた。 「すまない、昨日ちょっと飲みすぎて::」 「飲みすぎたって酷くない!?ずっと、待ってたのよ!連絡ぐらいくれてもいいじゃない」 「すまない、さっき起きたばっかりなんだ!」 ドアが開く音がした。 「誰??」 由美が陸の顔を見ながら怒りながら尋ねた。北村が部屋に入ってきた。その場を見た北村はこの現状に気づいたのだろう、とっさに 「こんにちは、由美さん。。すみません、山口さんをお借りしてました。昨日、山口さんは明日由美さんに会うから今日は帰るって言ったんですけど、僕が飲みすぎてしまってついつい引き込んでしまいまして、さらに僕が潰れてしまったので自宅まで連れて来てもらった上に止めて貰って介抱してもらったんです。すいません、由美さん。」 由美は陸の顔をみながら、やり切れない思いをどうしていいものか迷っている気を陸は感じとった、北村は続けた 「本当にすみません。由美さん、僕のせいなんです。すみません。」 陸は北村に感謝した、このまま2人きりであれば、どうなっていた事かと感じていたが突然北村が 「ちょっとだけ、出かけてきますね。」 陸は心の中で、 「行かないでくれ」と頼んだが、北村はドアを開け部屋を出て行ってしまった。由美が陸の顔を覗き込むようにして、 「どういう事か説明してくれる?」 陸は頭に浮かんだ言葉で答えるしかなかった 「どういう事も何も、すまない、決して由美の事を忘れていた訳ではないんだ。ナオ君がどうしてもって言うから、」 由美は陸の言葉を遮った 「人のせいにしないでくれる。私と約束してたでしょ。」 「すまない、ついつい飲みすぎてしまって、けど俺は由美の事は世界で一番好きだよ。」 「ごまかさないで!!」 陸はどうしたらいいか、わからなかった、ただ、ただ北村が早く帰って来てくれる事を願っていた。 「悪い、気分が悪いから、ちょっとトイレ」 「逃げないでよ。。」 「逃げてないよ、ちょっと吐き気がするんだ、だからトイレに行ってくる。」 陸はトイレに一時避難した。北村に(早く帰って来てくれ)とメールを打とうと思ったが携帯が無い事に気付いた。今の陸には祈る事しか出来なかった、北村が早く帰って来ることを。。。 数分して陸は意を決してトイレの水を流し、再び由美の前に向かっていった。北村は当然帰ってこない。 「陸!!」 由美はやはり怒っている。 「由美すまない、それしか言葉が無い。どうしようも無い。どうすればいい?」 「知らないわよ」 「ついつい飲み過ぎてしまったんだ、携帯にアラームを入れてたんだけど、鳴らなくて、」 陸はいい訳を考えたが浮かんでこない、素直に 「すまない、すまない」 そこへ北村が帰って来た。 「由美さん。本当にすみません。山口さんは全然悪くないんです。僕が昨日、お願いして飲んでもらったんです。これ、お詫びなんですけど、、」 北村の手には、由美が好きな家の近くのシャンボワールのケーキの箱があった。 「これ、食べて下さい。本当にすみません。僕のせいで、、、」 由美の顔が一瞬だけ、うれしそうな顔に変わった。 「由美さんどれがいいですか?どれ食べますか?」 箱を開けると、ケーキが6個も入っている。陸は北村に感謝した(もしかしたら、由美もこれで少しは許してくれるかもしれない) 「今日は6個ありますから、選び放題ですよ。残った分は置いて行きますから、後で二人で仲良く食べてください。由美さん本当にすいませんでした。」 由美がケーキを確認している。由美は甘いものには目が無い。 「さあ、食べませんか?」 「わかったわ、用意したげるから待ってて」 由美は北村からケーキを受け取ると、台所に向かっていきながら、 「コーヒーでいい?」 陸と北村は顔を確かめ合いながら、うなずくと 「ああ」 「はい、コーヒーがいいです。」 由美は少し嬉しそうに台所へと姿をけした。 「ナオ君、本当ありがとう!助かったよ!」 「けど、これまずいっすよね。由美さん絶対怒ってますよ。すいません、僕も今日由美さんと約束があるの忘れてました。起きれなかったですし、どうします?この状況を?」 陸は体のアルコールが抜けていないのを感じながら、必死で考えてみた 「ナオ君、何も浮かばない、どうしよう??ナオ君ならどうする??」 「う〜ん!!??どうしましょう??」 「あやまるしかないな、悪いのは間違いなく俺だから、許してくれるまで、、、」 「そうですね」 北村が一瞬ニヤリとして陸の顔を見ながら、突然北村が由美に聞こえるように大きな声で 「いいな、山口さんは由美さんみたいなきれいで性格のいい人と付き合えて僕の前の彼女だったら、手のつけようがないですよ。いいな山口さんは、、、僕も次は由美さんのような彼女がほしいです。どうしたら、いいんですかね?山口さん?」 「けど、山口さん昨日は本当にすいませんでした。あんまり飲まないっていってたのに、無理やり飲ましてしまって、本当にすみません。迷惑かけまして。。」 由美が部屋に戻ってきた。顔からは怒っている感じは感じられない。 「二人ともあんまり、飲みすぎないでね。さあ、食べましょう!!」 陸は由美のこういう所に引かれていた。怒る事もあるけど、あまり口うるさく言わない事がしばしばあった。由美に心の中で悪いと思いながら由美に向かって 「由美、世界で一番愛してる。」 北村が、真顔で 「山口さんよくそんな恥ずかしい事が言えますね。僕、言いたくても絶対言えないですよ。」
「じゃあ、そういう事でわたくし、帰りますね。由美さん本当に今日はすみませんでした。山口さんは悪くないので、怒らないでくださいね。僕のわがままでこうなってしまったんで、山口さん昨日はありがとうございました。おかげで、また仕事頑張れます。それでは失礼します。」 北村はドアを開け、部屋を出て行った。陸は由美の顔をみながら 「本当にごめんなさい。」と心からあやまった。 「もういいよ、けど次は絶対しないでね。」 陸は北村に感謝した。北村がいなかったらどうなっていた事か、 「陸、どうする今日?予定がくるっちゃった??」 「由美のしたいように、何でも今日はするから、何でも、、」 「じゃあ、ご飯食べに行きましょう?」
「ねえ、陸??私の事好き?」 由美がカクテルを飲みながら陸に問いかけた 「どうしたんだ?急に!好きに決まってるだろ!」 「あのね、最近たまに陸が遠くに行ってしまうような、夢を見るの?変よね私!」 陸は嫌な感覚に囚われた。何かどうしようも無い感覚に、、 「ねえ、陸今日泊まってもいい??」 陸は心が締め付けられる思いを感じた。 「今日はダメだ!帰れ!」 陸は感情のままに、口に出してしまった。 「なんで、そんなに怒ってるの!?」 「ああ、すまない、今日はちょっと調子が悪いんだ。。」 「ひどいね。昨日飲み過ぎよ!!」 由美は少し怒った表情をみせたが、 「まあ、いいわ、来週ね。お母さんにも言ってないし。」 「ああ、そうしよう、今日はもう帰ろう、家まで送るよ。」 「うん」 由美は少しつまらなそうにして、席を立った。
「じゃあね、また来週ね」 「由美、!!」 陸は由美を抱きしめた。陸の心の中の影が大きくなる。どうしようもないくらい、耐えられない気持ちが陸を締め付ける。 「俺は知っている!!??」 「陸??どうしたの??」 「すまない。このまま少し抱きしめさせてくれ!!もう少しだけ!」 陸は由美を抱きしめたまま、何かを悟った。 陸は由美を見送ると、家路に急いだ。その電車の中で、 「俺は知っている!!?」 「まさか、そんな事が現実にある訳ないじゃないか!!」 「まさか、、、、、、」 陸は激しくなる鼓動に不気味な影を感じなら、家に急いだ。 家に着くと一気に焼酎を飲み干した。 「まさか、そんな??」 「まさか?」 「ありえない!!」 「馬鹿、馬鹿しい!!そんな訳がある訳がない。」 「寝よう、とにかく疲れているんだ、俺はただそれだけだ!!」 陸は何故か一気に睡魔に襲われ、深い深い眠りについた。
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