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作品名:契りの影 作者:ショウ

第2回   地祇地の影2回目
「なぜ、俺の前に現れる?お前の目的はなんだ?」
「お前は知っているはずだ!」
「どういう事だ?俺はお前などしらない?」
「・・・・・・・・・・・」
「答えろ!」
突然、陸の全身が動かない感覚にとらわれた。嫌な胸騒ぎと共に陸は目を開けた。
「陸?」
「大丈夫?」
陸の体にまたがって、心配そうに顔を覗き込む彼女の顔が目の前に飛び込んで来た。
「なんだ、お前か!」
「うなされたみたい、大丈夫?」
「ああ、なんでもないまた、変な夢を見たみたいだ。」
「どんな夢?」
陸は心の中で何かいやな感覚に囚われていたが、それが何かわからない。数秒時間を置いてから、からかいながら冗談ぽく言った
「お前が怒っている夢」
「なにそれ、ひどい」
彼女はぽっぺを膨らまして、怒ったふりをしている。
「昨日の夜、電話くれなかったでしょ、心配になって約束より早く来ちゃった。」
陸が携帯に目をやると、時間は6:34分をさしていた。
「お前な、今何時なんだよ、早すぎるよ」
「ごめんなさい、だってすっごく会いたくなったんだもん。」
「さあ、陸!」
「起きて!!」
陸の体を揺すりながら、彼女が言った。
「もう少し寝かせくれ。」
「ダメ、今日はいっぱい相手してくれるって言ったじゃない。」
「さあ、陸君!起きなさい!」
陸は重い体を起こした。まだ、アルコールが残っている。
「陸、昨日お風呂入ってないでしょ」
「入ったよ!」
陸はとっさにうそをついた。
「服そのままじゃない、さあシャワーを浴びてきて」
言われるがままに、陸はお風呂場に向かった。シャワーを浴びていると、いい匂いがして来た。シャワーを浴びると、机の上にはご飯と味噌汁が用意されている。
「さあ、召し上がれ」
彼女は陸の顔をうれしそうに、覗き込んでいる。
「ありがとう、頂きます。」
陸は彼女の味噌汁がとても好きだった。陸は両親を幼い頃、事故でなくしている。陸には弟がいるが、親戚の所で邪魔者のように扱われていたので、朝は食べる事もままならない状態だった。
 家庭的な彼女に陸は心の底から惹かれているのを自分では知っていた。陸にとってお味噌汁とご飯はうれしい食事だった。
「さあ、行こう」
彼女は片づけをおえるとコートを陸に手渡し、玄関までひっぱっていった。
「今日は何する?」

彼女と親しくなったのは、メールをやり取りしてから数ヶ月たった時だった。陸は心の中のモヤモヤを解消する為に帰宅後ある、メールを送った。
 「名前村上さんだけど、会社の村上さんと関係があるの?」
数分後
「よく言われるの、私と村上さんは名前が同じだけで、何の関係もないよ」
陸はほっとした気持ちにとらわれたが、その続きを読んだ
「山口くんだから言うね、絶対だれにも言っちゃダメだよ、私村上さん嫌いなの、名前が同じなのも嫌だけど、こればっかりはしょうがないよね。」
陸は嬉しくなった、「やっぱり村上さんは嫌われているのか」独り言をいいながら続きを呼んだ。
「これから私のこと由美でいいよ」
陸は胸が躍った。「どういう事だ??これは俺に気があるのかな??もしかして・・・」
「それとお願いがあるんだけど、山口くんの事陸君って呼んでもいい??」
陸は叫びたい衝動に駆られたが、それを抑えてメールを送り返した
「うれしいな、もちろんいいよ由美さん。映画のチケット貰ったんだけど、もし、よかったら今度いっしょに行きませんか?行く人いないから・・・」
陸は祈る気持ちでメールを送った。
数分後
「映画行きたいです。あとそれと由美でいいよ由美さんじゃなくて、あ、けど会社では絶対に村上って呼んでね、絶対よ・・」
「ヨッシャー!!!」陸は思わず大声を出して叫んでしまった。
陸はデートの約束のメールを終えると、一人で祝杯を上げて音楽を鳴らした。ガルシアの曲が陸の心の中にそっと入ってくる。
 「俺はなんて今、幸せなんだろう」陸は淡い期待を胸に深い眠りについた

「陸!待ってよ」
由美が陸の腕を摑んだ
「ねえ、あれちょっと見てきていい」
「いいよ、俺ここで待ってるから」
「ごめんね、ちょっと待ってて」
陸は辺りを見渡した、多くの人が楽しそうに何かを楽しんでいる。突然陸の体に不気味な感覚が走った。ふと目をやると、遠くに薄気味悪い感じの言葉では表す事が出来ない、人物が目に入って来た。こちらをじっと見つめているような気がする。そういえば、陸はよく誰かの視線を感じる事が多かった。数分間その不思議な人物をじっと見ながら、近くに行くべきか行かないべきかを悩んだが、違和感を感じながらも近づこうと思った、その時その人物が突然歩き出した。陸はすぐに後を付ける事にした。陸は嫌な感覚が消えない、
「なんだ、どこかで見たことがある気がする?」
「とにかくイヤな感じだ」
陸は歩く速度を速めて、その人物との距離を縮めながら、近づいていった。
その人物は突然立ち止まり、振り返った。その瞬間陸の体に今まで感じた事のないほどの感覚が襲って来た。陸は心を決め、その人物にさらに近づい見ることにした。
その人物は何かを確認してから再び歩き始めた。陸は不思議な事に気づいた。その人物との距離がなかなか縮まらない事に・・・・
 「何かがおかしい・・・・・・・・」
陸はさらに歩く速度を速めた。「鼓動がやけに早くなる、なんだこの感覚は・・
とにかく確かめなくては」陸は走り出した。その人物に近づく為に・・・・
その人物との距離が短くなっている。
突然陸の脳裏に
「ねえ、陸!?」
陸は目をあけた。
「陸、寝てたの?大丈夫?何か変よ」
鼓動が早くなっている。
「おかしい、何かがおかしい、何かが・・・」心の中で呟いた
陸は由美に悟られまいと
「目をつぶっていただけだよ。どうだった?」
由美は陸の顔を覗き込みながら、
「う〜ん、いいだけどね。何かピンとこないのよね、今日はやめとく。」
「そうか、じゃあ行こうか?」
「うん」
由美は陸の腕に自分の腕を絡めると嬉しそうに
「陸、好きよ」
とはしゃぎながら
「私、今日は帰りたくない。」
無邪気に由美が陸の顔を覗きこみながら言った
「ダメだ、今日は帰れ!!」
陸はなぜこんな言葉を口に出たかがわからなかったが、理由を必死で考えた。
「由美の親が心配するだろ。それに明日俺、早いから・・・・」
由美は素直に
「わかりました。じゃあ来週ね・・・・」
「来週は泊まってもいいでしょ??」
「ああ」
陸はやるせない感情にとらわれていた。陸は由美を強く抱きめながら
「由美、愛してるよずっと」
「陸、どうしたの?」
「少し、このままでいてくれ」

陸は家に帰り今日みた夢を思い出そうとした。
「おかしい、あの人物どこかで見ている、確かに・・・・」
心臓の鼓動が早くなる。なんとも言えない感覚と共に、陸はその人物を必死で思い出そうとするが思い出せない。
「ばかばかしい、単なる夢だ」
「最近忙しいかなら、今日はゆっくり休もう」
由美にメールを送ってから、陸は深い眠りについた。




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