中学校はずっと女子校だった。
別に何か不満があったわけでもない。むしろ楽しかった。
ただ学費が高いからという理由だけで、高校から男女共学に行くことになった。
そもそも私がオーストラリアに来た理由も母親が借金まみれの東京にいる父親から逃れるためだった。たまたまこっちに知り合いがいて、母親も相当追い込まれていたのだろう。日本の田舎ではなくなぜか語学も不自由な海外に行くことが決定した。当時まだ小学校4年生だった私は何がなんだか分からず母親についてきたので、今となっては英語もしゃべれるようになったし、ラッキーとくらいにしか思っていない。
オーストラリアの新学期は2月だ。日本と季節が間逆なので、真夏だ。でもその日はさほど暑くもなかった。むしろちょうどいい気温で気持ちいい風さえ吹いていた。
私は母親と職員室へ行き、先生とのかったるい話を済ませ、母親ともわかれ、先生に連れられ始業式が行われる体育館へ向かった。その途中で日本人らしきアジア人の男の子を見た。背は高かったけれど、別に顔が特別カッコいいとか、何か特別なオーラがあるとか、そういうわけではなかった。ただ大きいアートファイルを持っていたのが印象的だった。
「are there alot of Japanese students?」(日本人の生徒はいっぱいいるの?)
と先生に聞いてみたところ、
「only few. 3 in your year and 2 in a year above you」 (そんなにいないわよ。あなたの学年には3人。1年上に2人よ。)
と言われた。
もしかしたら今の子も私の学年かもしれない・・・
そんなことを考えながら体育館にたどり着いた。
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