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作品名:20歳のスタート 作者:☆mari☆

第2回   金曜日の夜

今日は金曜日。
あたしは毎週金曜日はだいたい出勤している。
週末は客が多く、忙しいけど、その分キャストの子も多いから楽しい。

今日はオープンラスト(通称オーラス)だから、店が始まる1時間前には店に入らなくちゃいけない。

けどあたし・・・やっぱり遅刻魔。
着いたのは店が始まる十五分前。

十五分で着替えてヘアメイクやってもらって・・・。
間に合うかなぁ。あーダルイ。



みんなへのあいさつを軽く済ませてあたしは更衣室へ入った。



今日は学校で解剖生理のテストだった。

昨日はほとんど徹夜で勉強してたから、今日の出勤は本気で来たくなかった。
だから直前まで休むか悩んでて、ダラダラ化粧をしてたあたし。



でもいつもあたしは悩みながらも出勤する。

まるで引き寄せられるように。

まるで、使命かのように・・・。



今日あたしが選んだドレスは黒。ってゆーかいつも黒。
だって体を少しでも細く見せたいんだもん。
あー痩せたい。

これがあたしの口癖。





分かっていた。

自分の傷だらけの心の心理は。

上京してもう一年半になるが、一年前からあたしは過食嘔吐を繰り返していた。

何かを忘れたい一心で食べ続け、何かをぶちまけたい一心で吐き続けていた。

負けるもんか、と意地をはり、一方では助けて・・・と
小さくつぶやく自分の心の叫びは

あたしが一番良く知っていた。




とにかく痩せたかった。

今もその気持ちであたしの心はいっぱいだった。




「ミサ。着替え終わった?ヘアメイクどうする?」

修ちゃんが更衣室のドアの外から話しかけてきた。

「あっヘアやりたい!今行くから浩平さんに言っておいて〜」

やばっ・・・早く着替えてヘアメイクしてもらわないとお客さん来ちゃうよぉ。

早くしなきゃ。早く。もっと早く・・・




焦る気持ちとは裏腹に、あたしの手足が震えだした。

あっ。また震えてきた・・・
・・・でも今は気にしていられない。早くしなきゃ。

ドレスを身にまとい、時計とブレスレット、それからいくつものリングとピアスとネックレスを付けて、あたしは更衣室を出た。手にはシャネルのポーチを持って。


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