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作品名:薬指の重み 作者:綾瀬周

第6回   6
とうとう蓮さんがアメリカへ出発する日。
やはり悲しくてどうしようもなくて涙が出てきそうになった。


「梨花、来てくれてありがとう。」
「・・・うん。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
しばし沈黙が続く。重苦しい沈黙をやぶったのは蓮さんだった。
「梨花、出発する前に1つ言っておきたい事がある。」
ふと顔を上げると蓮さんは今まで見たことがない位真剣な顔をしていた。
「あれから、梨花に結婚しないと言われて俺は色々考えた。でも、やっぱり梨花しか考えられないんだ。梨花が好きなんだ!!」
真剣な蓮に答えるように梨花は、蓮の話を一字一句聞き逃さないように真剣な顔で聞く。
「だから、だから、勝手だと思うかもしれない!!年上のくせに我が侭だと思うかもしれない。・・・・3年後、俺は日本に帰って来る。その時に結婚しないか??」

「えっ・・・。」

バサッ

あまりの驚きに梨花は自分のかばんを床の上に落としてしまった。




「嫌かな・・??」
ずっと静止している梨花に声をかける。
よく見ると蓮の顔は今にも泣きそうな感じだ。
とても23歳の男性に見えない。
そんな蓮の様子に梨花はクスと笑う。
正直で優しくて素直な彼らしい表情だと思った。
「梨花??」
突然笑い出した梨花に驚き頭の上に疑問符を浮かばせる。
やっとクスクス笑いをやめる梨花は蓮に向き直って耳元でこう囁いた。
「3年後、よろしくお願いします。」と。
そう言った梨花に驚きの表情を向ける。
「・・・・・梨花、本当かい??本当にこんな俺で・・・。」
「私も、あなたしか考えられません。3年、待ちます。」
そういうと蓮は笑顔になって梨花を抱き上げた。
「キャッ!」
「ありがとう!!3年なんてすぐさっ!!メールも送るし、もし休暇が取れたら日本にも帰ってくるからな!!」
「はい!!」


そうしてとうとう蓮はアメリカへ旅立ってしまった。
梨花は離陸した飛行機を眩しそうに見上げこうつぶやいた。
「今と同じ気持ちであなたをずっと待ってます。」と。


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