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作品名:Bringer of the Christmas morning 作者:チェシャ猫

第1回   一撃
 朝、横たえた体をゆっくりとベッドから引き剥がす努力をする。昨夜の疲れが多分に残る其の体は、果たして身体の半分がシーツに張り着いてしまったかのように、内なる箇所からビリビリと音を立ててるような錯覚を感じ、俺の寝覚めの邪魔をする。
 昨夜は大忙しだった。我が職場は玩具店だ、年末を控えた12月、イベントの集中する季節最初の盛り上がり・・・クリスマス。古今東西の祭りに感化され事有る毎に騒ぎまくる節操無しの日本人。もう少し落ち着けよ、忙しいからいっぺんに来るなよ・・・何て思いつつ、昨夜閉店までずっと

「いらっしゃいませ♪ 有り難うございました♪」

 などと某ジャンクフード店員にも劣らぬスマイルで過ごしたものだ。
 だって仕方ねぇじゃん・・・客に来るなとか言え無いだろうよ。
 そんな事考えつつ、今日も夜からのバイトに備えてと言い訳しつつ、俺は布団から出渋り今日というクリスマス何て日の午前中を、ダラッダラと過ごすのだった。
 まぁ其れでも良いか何て気はしてる、昨年彼女と別れた俺は学校出てもバイト三昧で就職を逃し、昼行灯な店長が仕切る気の良いメンツなバイト先に落ち着いてしまってるのだ。これはこれで・・・今時の若者らしいんじゃないか?っと。
 仕事にゃ満足してるし給料も高くはないが、ぼちぼち。今の稼ぎは月末には振り込まれるから年越は賑やかにいけるだろう。そう、何にも問題なしさ。
 俺は昨年から言い続けた言葉を今一度強く思うと、逃避するように布団を頭まで被った。

 寝る瞬間って感じたことあるか?ふっと消えるような、其れすらも一瞬だからまったく覚えのない感覚なんだが、其れでも寝た直後にはっと気づいて起きると何となく感じるアノ感じだ。
 アレが波のようにやってきて、気づいたら波は遠くへ行ってしまっい、俺は取り残されたような感覚を覚えた。ああ・・・寝たなって思った。

 ?

 唐突、うつ伏せになって転がる俺の背を何かがつついた。
 何事だ?俺一人暮らしだぜ?何で其れが背中つつかれてるんだ?
 背中の”何か”は一向につつくのを止めない。其れは何だか、必死で俺のこと起こそうとするようだ。
 そういえば・・・前の彼女も俺を起こすとき何時もこんな感じだっけな。起きて、起きてって寝転がる俺の背中さすってた。
 だが・・・これはそんな可愛らしいもんじゃない、何か痛ぇ・・・。何か固い棒見たいなもんでつつかれてるみたいだ。・・・ああ、くそ・・・
「この、いい加減にし・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 固まった。痛みというかつつかれるうざったさに耐えきれずに勢い良くうつ伏せた上半身を右手に捻り、後方を振り向いた俺の目に飛び込んだモノ・・・
「メルィークリスマス、小僧?」
そいつはエセ外国人みたいな大げさなカタカナでそう告げた。
・・・どう見てもブタかイノシシが。
「ぎゃああああああああああああああああ?!」
叫ぶ声とは裏腹に、頭に浮かぶのはここは叫ぶのが正常だよなとか冷静な事で、むしろここで冷静になってるのってかなりテンパってるんじゃないかとか、とりあえず一呼吸置いて・・・
「ふげ?!」
ブタの鼻にピースサインをプレゼントした。



・・・to be laughts.


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