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作品名:男に好かれる?女に好かれる? 作者:basd

第7回   7
とりあえず修二君が席に着いたので僕も自分の席に向かう。
 席について荷物を机にしまい顔を上げると前の席の子とばっちり目があってしまった
「……」
「………」
「おはよう」
「あ、う、うん。おはよう」
 目が合って何も言わないのもどうかと思い挨拶をしてみたけど…
「…どうかした?」
 何か変。鳩が豆鉄砲と言う感じだ
「あの」
 ガラ
続けて聞こうと思ったところに伊藤先生が入ってきた
「皆おはよう。HR始めるから席について」

 教室に入ると皆が一斉にこちらを見た。それまで皆が見ていたほうに目を向けると一人の女の子が座っていた
(…?あの席は確か日羽君の……あ、そうか)
 今朝、職員朝礼で話があった特別待遇、すっかり忘れていた
「出席を取る前にお知らせがあります。日羽君のことですが彼は特待に選ばれました」
 教室中がざわつく。日羽君は落ち着かずに周りを見たり俯いたり、ホントの女の子みたい
「皆は入学式の後のオリエンテーションで特待について聞いてると思うので説明はしません。ですが日羽君は昨日来たばかりでよくわからないと思いますから皆で協力してあげてくださいね。日羽君?」
「は、はい」
「悪いんだけど前に来てまた簡単に挨拶してもらえる?」
「わかりました」
 日羽君が前に出てくる。もちろん皆の視線がその後を追う
「それから写真部の…阿藤さん、桃山君?」
「え?」
「はい?」
「生徒会から日羽君の撮影許可が下りました。そこであなたたち二人が指名されたの。やってくれるわね?」
「も、もちろん」
「是非とも」
 二人ともやる気満々だ。生徒会の公認カメラマンと言えば特待生には及ばないがさまざまな見返りが付く。そうでなくてもアイドルの専属カメラマンができるのだ、断る生徒の方が少ない
前に出てきて横に立つ日羽君を見る
 ホントに昨日の日羽君と同一人物なのだろうか?昨日の姿も十分男の子には見えなかったけど、言われてみれば男の子に見えなくもなかった
 が、今は男の子と言われても絶対に信じられない。どこから見ても女の子にしか見えない。と言うか日羽康介と言う男の子ははじめから存在していなかったのではないかと思うくらいだ。
 日羽君がこちらの視線に気付いたように
「…なんですか?」
 と聞いてくる。首を傾げるしぐさといいちょっと困った表情といいとても男の子とは思えない
「あなた実は女の子なんじゃない?」
 つい、こぼしてしまったがもう遅い。ばっちりと日羽君に聞かれてしまった
「…やめてください」
 低めの声音で睨まれてしまった
 そしてそんな日羽君にドキリとしてしまう
 こらこら私…しっかり


 …挨拶の時に一枚、授業中に三枚、そして今
 カシャ、パシャ
「もう少し目線こっちで。…そう、そんな感じ」
 休み時間になってクラスの皆が興味津々で話を聞いてきたがそんな最中にも阿藤さんと桃山君は写真を撮りまくる
 少しやめて欲しいと頼んだところ
「デビュー初日だからダメです」
「最初が肝心なんです」
 と言われてしまった。まぁ明日からは落ち着くらしいので少しの我慢だろうけど
 結局休み時間で十枚以上もの写真を撮られてしまった
 その後の授業でもやっぱり二人は写真を撮り続けていた。二人は授業大丈夫なのだろうか?ってか、教師も何も言わないのか…
「教師の中にも写真買う人もいるんです」
「授業の迷惑料があるとか言う話しも聞いたことありますし」
 …どんな学校だ
 何故生徒会があんなに好条件を出してきたか納得できた。確かにこれではストレスもたまる
「…せめて隠し撮りみたいにこっそり取ってくれない?いろんなことに集中できない…」
 こうも目の前で色々注文を受けながら撮られていたのではたまらない
「ああ、そのことなら大丈夫です。昼食の時から盗撮に切り替えます」
「最初のアピール用の写真以外は例外もありますがすべて盗撮なんです。自然なものが欲しいので」
 他が全部盗撮ってのもやめて欲しい…

 昼休み。阿藤さんと桃山君は宣言通り姿が見えない。いったいどこから撮るつもりなんだろうか
 とりあえず今日も修二君と昼食を食べようとお弁当を持って修二君の机まで移動
「修二君、今日も一緒に食べようよ」
 彼の前の席に座って声をかけた
「………」
 ん?返事がない
「おーい、修二君?」
 ヒラヒラ
「お、おお」
 声と一緒に手を振ってやっと返事があった。どうしたんだろうか?
「まぁいいや。とりあえずおべんとおぉう…」
 いきなり後ろから重みが…
「ダーメ。康介君は私達と食べるの」
「ひゃうっ」
 いきなり耳元で声がして思わず声を上げてしまった
「かぁわいい悲鳴…苛めたくなっちゃう」
 そう言って腕を首に廻して抱きついてくる。
 せ、背中が柔らかい…
「…胸当たってます」
 なるべく冷静に…落ち着いて
「なぁんだ。意外と冷静ね」
 そう言って離れてくれた。からかっていただけらしい
「なんですか?…えぇ、っと」
「紗枝よ。杉田紗枝。よろしく」
 紗枝と名乗った子は健康的に日焼けをした活発そうな子だ
「杉田さんは何の用ですか?」
「サ・エよ。だからお弁当。一緒に食べようって」
「でも修二君と…」
「ダーメ。女の子は女の子同士でないと」
 女の子同士って…
「…僕は男です」
「もうっ。そんな些細なことは気にしちゃダメよ」
 …大問題です


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