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作品名:男に好かれる?女に好かれる? 作者:basd

第6回   6
「彩音、ご飯だよ」
 もうそんな時間か…好きなことを考えていると時間が経つのが早い
 今夜の康の絶品料理は何かなぁ…と考えながらキッチンに入ると
「うん、やっぱり美味いな。それになかなか似合ってる」
「良かったです。今日は色々考えながらだったんでちょっと心配だったんです。…あの、あんまり見ないでください」
 新婚夫婦がいた
 一足先に食事をしている父、これはいつも通り。問題は康。いつもの様に私や自分の分のご飯をよそいながら談笑している。いつもと違うピンクのフリフリエプロンを着けて
「…康、その格好は?」
「こ、これは、その、おじさんが…」
「いや、康は明日から女の子になって過ごすわけだしな。早くなれるためにも家でも女の子として暮らすのがいいと思ってな」
 父さんが私にこっそりと
「お前もこっちのほうが好きだろ?」
 私は口におかずを突っ込んでやった



「康、入るよ。準備できた?」
 言って扉を開けると上半身裸の康が立っていた
「あ、彩音。ちょうど良かった。これどうやってつけるの?」
 康が手に持っていたのは…ブラジャー。そして、康の胸は…
「なっ…こ、康。その、む、胸は…」
 康の胸には昨日までなかった山が二つ
「どうだい?いいだろう」
 いつの間にか後ろに父さんが立っていた
「昨日言ってたパットってブラの間に入れるんじゃないの?」
「ふ、そんな誰が見てもわかるようなものをつけたのでは意味がない。実は理事の一人に医療機器メーカーで人工皮膚などを作っている者がいてね、特別に作ってもらったんだよ」
 そう言うと康の横に立ち
「どうだい?この見た感じ。本物みたいだろ?さすが医療に使う人工皮膚だけあってよくできてる」
 胸をじろじろ見る父さんはただの変態にも見える
「さらに…」
 父さんは康の背後に立ち
 むにゅ
「え?」
「この感触、まるで本物だ。康は見た目も女の子だばぁ」
 いきなり胸を揉み出した変態(父親だが…)を殴り倒した
 康は男だからか、それとも作り物だからかびっくりしただけで特に無反応
 まったく、父さんはなんてうらやましいことを…
「でさ」
「うぁ、ああ、何?」
「ブラジャーの着け方ってどうやるの?」
 何もなかったかのように普通に聞いてきた。ってかさ康…
「嫌じゃなかったの?」
 昨日あんなに嫌そうだったのに
「…今まで普通の格好してても女の子に間違われてたしさ」
 間違われてたと言うか…康の場合、男に見られたことが一度もないような気がするけど
「だから今更外見が女の子になってもどうでもいいかなと…この偽乳?これ着けた時にそう思ったから、もういいかって…まぁ実際はヤケッパチみたいな…」
「…自棄……ま、康がそう思ってるなら、いいけど…ね」


「入りにくい…」
 教室の中にはすでに結構な人数がいる
「いくら割り切ってもやっぱり恥ずかしいなぁ」
「そこの君、どうしたんだい?」
 後ろから突然声を掛けられた
「そんな入り口で覗くように…誰かに用があるのかい?」
 ん?この声は…
「修二君?」
 振り向いた先にはやっぱり修二君が立っていた
「俺を知っている?まさか、君みたいな美女が俺に会いに来てくれるなんて…」
 やたらと芝居がかった口調である。昨日の時もそうだったけど…修二君は女性を見ると口説きたくなるようだ。僕は男だけども…
「こちらから自己紹介をする必要はなさそうだ。よければお名前をお聞かせください」
 言いつつお辞儀をする様が妙に決まっている。まるで役者かどこぞの貴族のようだ
 どうでもいいけど、何か昨日とキャラが違わないか?
 修二君は美形の部類なので見ていて嫌ではないがいつまでも間違っていられると困るので素直に名前を名乗る。誤解は早いうちに解け、みたいな?
「康介、日羽康介」
「は?」
「昨日転入してきて、いきなり君に告白をされた日羽康介」
「………マジ?」
「マジもマジ、大マジよ」
「じゃぁ何か…俺は同じ奴に、しかも男に…二回も……」
 修二君はショックが大きかったのか足取りが怪しく、ふらついている
「えと、大丈夫?」
 声をかけてみたけど気付かずにふらふらと教室に入っていく
 心配になってそのまま一緒に教室に入ってしまった。自分の格好を忘れて…


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