「ただいま」 「お、お帰り。早かったな」 僕よりおじさんのほうが早いのは何故ですか… 「あ、そうだ。おじさん、僕の学費のことですけど、免除になるらし」 「あれ?言ってなかったっけ?」 は? 「元々、康介君の学費やらなんやらは払ってないよ」 「え?なんで?」 今日決まったことなのに払ってなかった?どういう事? 「特別待遇だから」 「は?なんでおじさん知ってるの?」 もう学校から連絡があったとか… 「一応あの学園の理事やってるからね」 「はい?」 おじさんの口からとんでもないセリフが… 「だから理事の一人なんだよ」 「…え、ドッキリ?」 「いや、ホント」 聞いてない… 「理事長に康介君を紹介したのも私だし」 「え…」 「理事長も二つ返事でOK したから、じゃぁってことでこの学園に君を転校させたんだ」 っな…最初からそのつもりだったのか… ん?でも… 「僕が断ったらどうするつもりだったんですか」 「もちろん他の学校に即転校か自力で何とかしてもらったさ」 はっはっは、と笑うおじさん 「…マジですか」 「冗談だ」 ガク… ひざから力が抜け完全に崩れ落ちた僕を見て楽しそうに笑っている 「ただいま」 おじさんとくだらない問答をしていると彩音が帰って来た 「お帰り」 「…お帰り」 「ただいま。康?早いね。…どうしたの、元気ないよ?」 「何でもない」 そう、何でもないさ。明日からの生活を考えればおじさんとのこんな会話なんて… 「彩音、明日から康のことを色々と頼む」 「康?何を今更…」 「いや、明日からはお前の助けが今以上にいることになるからな。康だってメイクはしたことないだろうしな」 「メイク?…康、あんた…」 「ちょっと待って…おじさん、メイクまでしなくちゃいけないの?」 「当たり前だろう?完全に女の子になってもらわないと。理事長も楽しみにしてることだし。あ、安心してくれ、ちゃんとパットとブラも用意してある」 そんな物までいりません… 「もしかして特別?本気?」 「え、ああ〜一応…」 本気かどうかは怪しいが一応そのつもりだ
康のあの外見だ、ある程度予想はしてたけど、まさか本当になるとは…と言うより康が承諾するとはあまり思っていなかった 今朝の会話が思い出される
「そうじゃなくて、学校で…友達とご飯食べたときにおかずの交換とかするから…味が違ったら…もしばれちゃったりしたら」 「ばれる?何が?」 「…同棲とか」 「なんで?従姉だし何か問題ある?あ、もしかして好きな人が居るから困るとか?」 「っち、違うわよ馬鹿」 「なるほどなるほど。OK、了解了解」 「馬鹿馬鹿、勝手に納得するな」
本当に違うのだ 私は正直、男に興味がない。いわゆる同性愛者と言う奴だ 今まで男と付き合ったことはないが女性とは何人か付き合ってきた だけど今は付き合っている人はいない。最近はときめく同性がいないと言うのもあるが一番の問題はどんな女性より魅力的な従弟がいることだ 昔は気にならなかったが自分が異性より同性が好きだと気付いてからだんだんと従弟のことが気になり始めていた。自分でもやばいと思ったのは二年前の正月に会ったときだ 並みの女友達より女の子に見えるあの容貌、少し天然な性格。 実際、男なので性別的にも問題ないところも魅力的で、従弟同士なら法律的にも問題ないはずである 私の性癖は友達も知っている。それだけなら問題ないのだが、困ったことに財布の中にこっそり入れている写真を見られてしまった。 女と言うものはこの手の話に飢えているらしく(かく言う私もだが…)気が済むまで開放してくれない。結局気づいた時には従弟、つまり康について洗いざらい話してしまっていた 写真が見つかっただけでもあの騒ぎなのだ、同棲なんてばれた日には毎日が質問攻めで堪ったものじゃない。それにあの康の実物を見てライバルが増えるかと思うと気が気ではない…まぁ男のライバルは問題外だが…
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