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作品名:男に好かれる?女に好かれる? 作者:basd

第3回   3
 HRが終わって…一時間目の授業も終了。そのまま休み時間へ
 転校生の宿命、質問攻めの時間である
「日羽さんってホントに男?」
「実は嘘ついてない?」
 かなり失礼な質問である。本人が男だと言っているのに…
「正真正銘の男です」
 今までも中学や高校の入学式の後に色々聞かれたけど、年内にまたも聞かれるとなると嫌になる。会う人会う人説明するのもめんどうだし
「はぁ…水泳部にでも入ろうかなぁ」
 ふとぼやく
「え?」
「何で?」
「水着着てたら嫌でも男ってわかるでしょ?」
 さすがに海パンはいてれば女だと間違えるような人は居ないはずである。もっとも、制服を見た時点で気付いて欲しいのだが
「ほ、ホントに水泳部に?」
「まさか、冗談だよ」
 いくらなんでもそんな馬鹿な理由で部活を決めるわけがない

 とりあえず適当に質問を受けつつ次の休み時間もその次も、休み時間を消化していった
 そして昼休み…
 今のところ質問攻めだったのでまだちゃんとした友達を作っていない。普通に話をする程度のクラスメイトっていうのが今の現状、なのか?どっちかと言うとまだ珍獣扱いかもしれない
 とりあえず一緒にご飯食べたり、話をしたりする友達が欲しいなぁ。一人でご飯を食べるのって結構寂しいんだよね…。あ、そうだ、確か田中って人がHRの時に……
 えっと、田中君、田中君は…あ、居た
「あのさ、田中君」
「え?あ、転校生」
 うわ…名前でもあだ名でもないし、ってあだ名なんてまだないんだけど
「転校生って…名前で呼んでくれると嬉しいんだけど…」
「あ、ああ、わかった。じ、じゃあ…康介、何か用か?」
「うん、たいしたことじゃないんだけどHRの時に…」
「ほ、HRのときは悪かった、謝るからもう黒板消しはごめんだぜ」
「え?あ、あの時はごめん。ついカッとなってしまって…って、いやそのことじゃなくて、最初に田中君が言ってたお友達からってやつなんだけど…」
「俺はそっち気はないぞ。ノーマルだ。だから今朝の告白は忘れてくれると…」
「なっ、馬鹿、違うわ!」
 何を考えているんだこの人は…友達候補、早まったかも
「そうじゃなくて、ただ友達になってくれるのかなと思って」
「あ、ああ、わりぃ…ちょっといろいろ考えてて勘違いしてた」
 まったく、どういう勘違いをするんだ
「そういうことならいいぜ、改めて…田中修二。修二でいい、よろしくな」
「こちらこそ。それで、早速であれなんだけど…ご飯一緒しない?」

 こいつ、日羽康介は本当に男か?
 転校初日の昼に一緒にご飯を食べることになったが、自分の不注意な言動が予想外の展開を迎えることになった
「何してんのさ、早く食べなよ」
「いや、だから、自分で食べるって」
「ダメだよ、手掴みなんて行儀の悪い」
「だいたい恥ずかしいって」
「なんでさ?男同士だし問題ないよ。ほら、あーん」
「うっ…」
 そう、男なら可愛い彼女と一緒に食事をして、彼女に「あーん」をしてもらえるなんて最高のシュチエーション
 だが、今日あったばかりの美女(って男だけど)にいきなり「あーん」なんてされたらさすがに恥ずかしい
「ほら、早く、あーんして」
 にっこりと笑顔で言われるとドキドキする
 って男相手に何を考えとるんだ。しかも周りの視線が痛い…。こんなことになら「うまそう」とか「一口くれよ」なんて言うんじゃなかった
 ええーい、ここは覚悟を決めて
「…わかった。あ、あーん」
 うわ、めっちゃ恥ずかしい…
「はい、よくできました。ではどうぞ」
 からかうニュアンスが含まれているように聞こえるのは気のせいではないと思う
「どう?美味しい?」
 む、これは、なかなか…
「…うまい」
「でしょ?今日のはちょっと自信作なんだ」
 嬉しそうに微笑む
 うっ、ちょっと可愛いとか思ってしまった。大丈夫か、俺…


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