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作品名:彼女のキモチ、彼のオモイ。 作者:てん、

第4回   ―眞田良SIDE― (1)過ち
それは夕暮れ時・・・・・
カバンを取りに来た事も忘れて、窓際で佇む(たたずむ)彼女に見とれていた。

■■■■■■■■

彼女→岡野良に俺はかなり嫌われてるらしい。
いや、最近は嫌われているというより怖がられているという方が正しい気がする。
岡野良との出会いは小学校の時。
あの時は、ただ彼女に振り向いて欲しかっただけだった。
それがあそこまでエスカレートするなんて思ってもみなかった。
そのうち、彼女が学校に来なくなって・・・・・
転校する話を聞いたときは彼女に謝ろうとしたけれど、彼女はもういなくて・・・・・
後悔だけが残った俺の苦い初恋・・・・・
その相手が岡野だ。
だから、ここで再会した時は嬉しかった。
眼鏡をしていて、はじめは気づかなかったけど
彼女はあの頃のままで・・・・・・・・・・・・・いや・・・・・、キレイになってた。
小柄だが丸みを帯びた体・色白の肌・細い手足。気がつけば俺は、同じ相手に二度目の恋をしていた。
でも、それは彼女にとっては迷惑でしかなかったようで・・・・・・・・だからなるべく彼女を避けてきた。
彼女に拒絶されたあの日から・・・・・・・

■■■■■■■■

だから、びびった。
教室入ったら彼女しかいなくて・・・・
しかも、彼女は俺に気づいてなくて・・・・・・
久しぶりに眼鏡をはずした彼女を見てると、なんかすごく可愛く思えて・・・・・・・・・・・・・・・・見とれてしまった。
でもそれは一瞬の事で・・・・・・・・、
彼女はすぐ俺の存在に気づいて先ほどの穏やかな雰囲気から一転してピリピリした緊張が彼女から伝わってくる。慌てて自分がここにいる経緯を話す。
「別に何もしない・・・・・・・・・・・荷物取りに来た」
情けない顔をしてるに違いない。
それを悟られまいと、すばやく席に向う。
すると、一歩近づく毎に彼女を取り巻く空気が明らかに変わっていく。
いつもよりも張り詰めた重々しい空気・・・・・・・

そんなにも・・・・・・・・嫌かよ・・・・・
俺は彼女の反応にショックを隠せないでいた。
その空気に耐えられなくなったのは彼女の方で俺の方を見ずに足を踏み出した。
が、それは不自然に空気を蹴り彼女の体のバランスを崩した。
慌てて彼女の体を支える。
「・・・・・ぁぶねぇ・・・・」
俺の腕の中で彼女は固まっていた。
彼女の肩は思った以上に細く華奢で、俺の中に簡単に納まっていた。
ここ数日、彼女を避けていた俺にとってこの状況はかなりマズイ・・・・・・・・・・
抑え込んでいた気持ちが、どんどん溢れ出てくる。
なんとかギリギリの所で理性を保ちつつ、彼女の体を少し離し、あらためて彼女の様子を確認した。
不思議なことにさっきまでの張り詰めた空気が消え、代わりに暖かい瞳で俺を見上げている。
彼女は柔らかい笑顔で俺に笑いかけた。
「ありがとう」
その言葉で俺の中の何かが弾けた。
自分の中の理性というものが吹っ飛んだ瞬間だった。
気がつけば力一杯彼女を抱きしめ、彼女の意思など無視して自分の欲望のままに彼女の柔らかな唇に自分の唇を押し付けていた。
彼女は目の前の出来事が理解できていないのか、ただ呆然としている。
再度、彼女を抱く手に力を入れる。
「好きだ」

「い・・・・・・いや!・・・・」
彼女の小さな叫び声で俺は我に返った。
彼女は俺の腕の中で小さく震えている。
ゆっくり彼女を解放した。
彼女の瞳から大粒の涙がどんどん溢れてきて・・・・・・・・
改めて自分のしてしまった事に気づき、なんとか彼女に弁解しようと試みたが彼女にかける言葉が思いつかない。彼女は荷物を片手に教室を飛び出して行った・・・・・・・・・
また、彼女を傷つけてしまった。

でも、もうこの気持ちは抑えられない・・・・・・・・・・・・・・・

もう引き返せない

■■■■■■■■

次の日、
朝練を終えた俺は学校の西門で彼女を待っていた。
彼女はいつもここから登校する。
上履きがまだあったという事はここにいれば会えるはずだ。
なぜ待っているかなんて自分でもよく分からない。
彼女に会ってどうするかなんて会ってから決める事で今の俺には『まず彼女に会う』と言う事しか頭にない・・・・
彼女の顔が見たい。それだけだ。

10分ほど待って彼女の歩いてくる姿が見えた。肩まで伸びた綺麗な髪が風になびいている。
眼鏡が光に反射して顔はよく見えないが向こうも俺の存在に気づいたようで足を止めた。
と、俺が近づく前に後ずさりしながら逆方向へ走って行った。

俺から逃げた?・・・・・・・・・・当然か・・・
・・・・・・・だが・・・・・

慌てて彼女を追いかける。
学校構内にある公園に入る彼女を確認した俺は先回りして彼女の前に現れた。
「!!」
「・・・・・・話がある・・・・・」
「・・・・・・・・・・・っっはぁはぁはぁ・・・」
息を切らした彼女は慌てて来た方向へ逃げようとするが俺がそれをさせなかった。
「逃げるな!」
彼女の両腕を掴んで自分の方へ引き寄せる。
「い・・・・いや!!」
彼女は顔を背け身を屈(かが)めて何とか俺の手から逃れようとしている。
俺は彼女を包むように後ろから抱きしめた。
「・・・・・・・ゃ!!」
「・・・・・好きだ・・・・お前が・・・・」
彼女への二度目の告白・・・・
しかし、彼女は掠(かす)れる声で拒絶する。
「お・・・お願い・・・もうやめて・・・・」

どんなに求めても手に入らないのか・・・・・・・・・?
彼女の悲痛の叫びは俺の心を引き裂く。
それならば・・・・・・・・・いっそ・・・・

俺の中で悪魔が囁く。
『力ずくで自分のものにすればいい』

俺は抱きしめたまま彼女の耳元に口を近づけた。
「お前が俺を本気にしたんだ・・・・・・・・・・・・・もう・・・・・・・・・・・お前を俺のものにするまで止まらない」
彼女は凍りついたように固まって動かない。
彼女の顔が自分の方へ向くように向きを変えると、とどめの一言を発した。
「俺からは逃げられない」
彼女は硬直し脅える瞳で俺を見ている。

そんな目で俺を見るな・・・・・・・

俺は彼女の頬を指でなぞりながら冷たく言う。
「目ぇつぶれ・・・・」
彼女は小さく首を横に振ったが、俺はそのまま彼女の唇に二度目の口付けをした。


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