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作品名:狂人の日記 作者:田島

第3回   闘病日記(3)
6月12日(水)
 目眩もするが今日は虚脱感というか疲労感が強く感じられる。

6月14日(金)
 一日一日をふわふわ生きているような気がする。朝起きれば決まって気怠い感じだし、そして自分の「やる気」が起ってくるのを待っている時間があって・・・・夜寝るときは、特に疲れた感じもなく睡魔に襲われることもなくただただ無理矢理寝る。と言う感じだ。普通一日が過ぎればそれなりの充実感と疲労感があっても良いようなものだが、それがない。薬(CONSTAN)の仕業なのだろうか?といってもCONSTANを服用するのはせいぜい朝(起きるのは昼だが)に一錠とたまに夜に飲む程度である。そういえば今晩も仕事中に急に不安になったが、CONSTANは飲まなかった。(何故飲まなかったかは解らないが・・・。)先にも書いたが一日がフワフワと過ぎていく。以前はもっと、一日を噛みしめるように生活していたような気がする。
 やらなくてはいけない事柄があっても知らないうちに体をかばっているのか、明日にしようとしている。それがいけないのかも知れない。何故体をかばうのだろうか?胆嚢のポリープ。腎臓の影が深層心理のなかで気になっているのかも知れない。とにかく一日一日頑張って生きていない。もしくは全力投球していないのが「フワフワ」の原因かも知れない。「知れない、知れない」の羅列になってしまったので今日はこの辺で止めることにしよう。 

6月15日(土)
 今日は昼頃(昼食後)激しい目眩に襲われた。頭を動かすだけで「グルグル」するのだ。夜まで我慢していたが、我慢しきれなくなって、新美クリニックに出かけた。結果は2年ほどまえに煩った「突発性難聴」の後遺症で目眩がするそうだ。今日から一週間連続で注射に通わないといけないそうだ。なんだか次から次へと困ったものだ。結局目眩の薬だけでは効果がなかったということになる。私は注射を打たれることにも、かなりのストレスを感じる質なので気分が重い。仕事も大忙しの状況だ。体の不調を訴えている時間さえないのだ・・・。

6月18日(火)
 昨日あたりから咳が出て、喉が痛い。寝ていても喉の不快感があって目が覚めるほどである。目眩に関しては小康状態といった感じで、薬の服用と注射を止めている(何となく必要ない感じがしたものだから・・・。)全く次から次へといろいろな症状がやってくるので困ってしまう。現在は風邪的な症状が出ているが、体のだるさや目眩が完全に治まった訳ではないので心配は尽きない。喉の痛みと咳が長く続かないように養生しなくてはならない。仕事の方は相変わらず忙しいのだが〆切のメドが立ってきたので幾らか気分的に楽な状態と言えるだろう。少なくとも言えることは精神的には以前より全然落ち着いていると感じる所ぐらいだろうか・・・。

【視野が狭くなった】

6月23日(日)
 深夜のことだ。テレビを見ていると、何だか自分の右目が変なことに気が付いた。どういう風に変かというと、見ている部分が良く見えないのだ。つまり見ようとする部分が見えないのだ。(以前にもこのような症状に一度だけなったことがある)そして良く観察してみると右目の視野が狭くなっていることに気が付いた。あわてて大学病院にいって検査をしてもらったのだが、その時にはすでに正常に戻っていた。医師の言うことには精神的な原因で一時的に視野が狭くなる事も考えられる。また、何かの病気の前触れかも知れない・・・らしい。ともかく何かメンタルな部分が特に考えられる原因ということだった。

6月24日(月)
 精神科へ出かけていった。「足立クリニック」である。そこでの診断もやはり、「精神症」だと言うことだった。目眩もだるさも視野が狭くなることも全て精神的なものが原因しているらしい。ということで薬をもらったのだが、何となく薬恐怖症なのか恐くて飲む事が出来ないのだ・・・。何故飲めないのか・・・。おそらく、薬を飲んだ時の自分の体の変化が恐いのだ。このことも足立医師に相談した方が良いのだろうか、それとも再度大学病院の精神科に行った方が良いのだろうか?

6月25日(火)
 足立クリニックに相談に行った。想像通り医師の意見は「薬を飲んでみないことには、なんとも判断が出来ない」との事だった。しかし私の薬恐怖症は消えない。しかたなく以前新美クリニックでもらったCONSTANを飲んだところ(何故足立クリニックの薬だけ飲めないのだろうか、粉末だからか?自分のことなのに自分でも解らない。)すこし気持ちが落ち着いた感じがしている。

【引き続き、精神症】

6月29日(土)
もう完全に自律神経が乱れている事が自分でも確実にわかる。頭痛一つを取っても変なのだ(痛くなったと思ったら急に治って、又痛くなるといった繰り返し)。それに、「おえつ」をしてみたり、「ぐらっ」と目眩がしたり、交互に症状がやってくる。自分でも気をしっかり保つように心がけているせいか、以前の様な強烈な不安感は襲ってこないが、頭の中はパニック状態だ。過去にこれほど体調がすぐれなかったことはないのではないか?と思わせるほどだ。
 小次郎の水疱瘡が移らないかと、新たな心配も増えたし、いったい私の神経はどうなっているのだろうか?全く「ぼんやりとした不安」に何時もこころを襲われている。
 今までかなり重傷だと思われる鬱の状態の時でもこれほど長引かなかったと記憶している。生活のリズムを正せば多少は改善するのだろうか?それとも本当は大変な病気の前兆なのかも知れない。もしそうだとしても、いくら悩んでみた所でその「大変な病気」が治る訳でもないことは重々承知の上なのだが、心の底から真剣にそう思えない自分がいるのだ。ああ、全ての仕事や責任から逃げ出してしまいたい気分だ。逃げ出せたからといって今の症状が改善する保障はないのだが・・・。
 ああ、この乱れきった生活リズムを改善したい。規律正しい生活をしたところでこの目眩や頭痛が消える保障もないのだが。パソコンに向かう事を少し休みたいのだ。どうか仕事の電話がかかって来ませんように・・・・。
 いったい、いつになったら、この目眩が治るのだろうか?新美医師が言うように、この目眩は、「突発性難聴」の後遺症なのだろうか?それとも、足立医師が言うように「精神症」なのだろうか?外へ一人で出かけることが恐怖なのだ。何が一番恐怖かというと、自分でコントロール出来ないほどの目眩が襲ってきたときに、一人だと対処出来ないのが恐怖の根元だ。とにかく目眩と、ひどい頭痛には恐怖を感じる。病院で処方してもらった薬でさえ恐怖心のあまり飲むことが出来ないのだ。また「飲まなくてはいけない」と思えば思うほど目眩やその他の症状が出てくる気がする・・・。いったい私の体、いや精神はどうなってしまっているのだろうか?誰か教えほしい、お願いだ。
 最近気が付いていたことに、目眩が来たときに多少寒気がすることと、その時(目眩時)眠ることの出来る環境であった場合必ず眠ると言うことだ。その眠りから覚めると多少気分は落ち着いている・・・。思い出したので書き留めておく。
 恐怖を感じる事柄:病気、死、仕事、風呂、睡眠(夢)、薬、目眩、頭痛、疲労、目痛、水疱瘡、体重減少、食中毒。精神衰弱甚だしくも、こうしてキーボードに向かっている、モノクロ液晶画面が私の最後の救いなのか。CRTは精神衛生上良くない。きっとそうかも知れない。モノクロ液晶を私が最後まで見続けることができるものかもしれない。それにいろいろ高価なソフトを使って仕事をしているが、最後の最後にはフリーウェアのエディターなのか?CGや画像処理、DTPが仕事の私が最後は文章・・・最後まで作業し続けることが出来るのは文章か。こうして思うままにパソコンで文章を書いていくことが出来るようになったのも良子のおかげである、もしタッチタイピングが出来なかったとしたら、これほど自由に自分の感情をキーボードで表現出来なかったかも知れない。いやこれは間違いのない事である。こんな部分にも私は良子に感謝して止まない。手で書くよりも少ないエネルギーで小スペース、抜群の保存性と再現性、さらにはDTP用の原稿として、テキストデータならマルチプラットフォームで、どんなパソコンでも再現可能である事等、あげれば切りがない。日記を書くツールとしても全く素晴らしい機械であり道具である。やや内容が脱線したが私が言いたいことは頭で考えるスピードでキーボードを打てるようにしてくれた良子に感謝したいのである。ただそれだけである。それにこのパワーブック180・・・。今となっては非力な030、33Mhzのマシンに感謝している。まだまだ私の文字入力の能力では、この程度のマシンでも追いつかないのだ。
 たとえば今、小次郎の水疱瘡が私に感染したことが発覚したとしよう。きっと私は恐怖で身震いするだろう。冗談で書いているのではない。真剣なのだ。恐怖で縮こまってしまうだろう。容易に想像がつくのである。現在の精神不安定さはさらに増殖し、今度という今度は本当に自分でコントロール出来るかどうか全く自身がないのである。助けてほしい。誰でも良いから助けてほしい・・・こんな目に会わせないでほしい。確かに私は今までいろいろ非道なことをしてきたかも知れない。いや、してきたことだろう。しかし辛いのだ。辛すぎるのだ。夜も眠れず(昼寝ているので当然だろうが)外がうっすらと明るくなってくるのにさえ強いプレッシャーを感じてしまうのだ。こんな時間に起きている不健康さ、焦り、戸惑い、数々のプレッシャーが毎日、毎時、毎分私を襲ってくるのだ。私以外の人にどれだけ説明しても説明しきれない私のなかの悪魔なのだ。
 4時47分。もう外は白々と夜が明けている・・・。

6月30日(日)
 本日の陰惨な日課を記してみよう。起床1時30分そして昼食。(CONSTAN服用)ぼんやりテレビを見ている。3時〜4時位の間で少し仕事を片付けて納品。帰ってきたのが5時30分ほど、それから読書をしていると睡魔が襲ってきたので9時まで仮眠、そして夕食。(CONSTAN服用)そして現在1時50分。これが私の今日の一日である・・・・陰惨。怠惰。怠け者の生活リズムである。首を大きく振ると、また視線を細かく動かすと軽い「目眩」を感じるが以前のような倦怠感はなくなってきている感じがするものの、頭の芯のほうで(こめかみや後頭部や頭のてっぺん)で頭痛がする。何となく気になる。折角の日曜日のことである。

7月1日(月)
 夕方、新美クリニックへ行ってきた。頭のCTと、頭へ行く血管のエコーの検査をした、別段これといった異常はないらしい。そして偏頭痛予防薬を今までのものより多少弱めのもの(Perdipine 20mg)に変えて、一日2錠服用する。それとCONSTANをもらってきた。すべての頭痛は脳梗塞の可能性があるといっても言い過ぎでないらしく、できるだけ偏頭痛は避けた方がいいらしい・・・またこういう話を聞くと心配になってきてしまうのだ・・・私の場合・・・。
 話は変わるが今日は自分でも信じられないくらいに日中睡眠がとれた。最近特に睡眠時間が多いのだが今日は特別多かった、寝たのは午前6時ぐらいで、起きたのが1時、食事をとってすぐに3時頃まで又寝た。そして病院へ行って夕方6時ぐらいから7時30分まで寝る。そして夕食後、12時ぐらいまで眠った。自分でも良くこれだけ眠れるものだと感心している。寝過ぎたせいか今頭痛がするので、新美さんでもらった鎮痛剤を飲んだ。ここで最近のわたしの頭痛について書いて置きたいのだが、以前は頭痛の予感がするともう立っていられなくなるほど「ガンガン」とひどくなっていたのだが、最近は頭痛の種類が変わってきたのだ、痛くなるのだが、少し時間がたつと「スッ」と引き、また「ズキズキ」と痛むの繰り返しなのだ。だから痛くなって薬を飲もうと思うと治るといった具合なのである。それに頭痛のする場所にも変化が有るようにかんじられる。以前は「こめかみ」や「目」の周辺が多かったのに比べ最近は頭のてっぺんが「チリチリ」痛んだり。後頭部の鈍痛が多いことである。もちろん全く「こめかみ」の部分での痛みがなくなった訳ではないのだが。新美医師は「目眩」も頭痛と深い関係があるとも話していた。今日はPerdipineを服用しているのにもかかわらず頭痛がおこった。肩こりも少しある。新美クリニックでの診察前の待合室でかなり目眩も感じていたが、これは精神的な部分のウエイトがかなり大きいのかもしれないと感じていた。とにかく今は新美医師を信じてPerdipineをかかさず飲むようにしていこうと思っている。なんだか今日の文章は変だ・・・自分で読み返す気力もない。
 今まで処方してもらった薬の名前を明記していなかったのでこれからはその都度書いていこうと思っている。【マイナートランキライザー精神安定剤:CONSTAN 0.4mg  偏頭痛予防薬(脳内の血圧を下げる作用):Perdipine 20mg  頭痛時の頓服:Cafergot】


7月2日(火)
 今日も5時前後にあの「いや〜な」目眩がやってきた。(こうして書くこと自体、嫌になるほどだ。)目の前が「グルグル」と回る感じの目眩とは違ってどちらかというと「ふわふわ」&「ゆらゆら」もしくは「ぐらぐら・・・かな?」といった目眩なのだ。気持ちが不安になってきたのでCONSTANを服用したところ、酒に酔ったような感覚になってリラックスしてきたし、目眩の方も落ち着いてきた。その時はすでに6時頃だったので、薬が効いて落ち着いてきたのか自然に治ったのかは判断できない。ちなみにその時には頭痛はなかった。やはりこんな調子では日中に外出することさえ出来ない状態だ。真剣に精神科へ行った方がいいのかもしれないと思う。連日、夕方の来るのが恐く感じる。それに今日は一日中なんだか気怠い感じがずっと続いている。ときどきこめかみ辺りに頭痛の前兆のようなものが来るがすぐに遠のいていく。また明日の昼も嫌な目眩が来るのだろうか?午後11時11分。

7月3日(水)
 やりたいこともない。欲しい物もない。楽しいと感じることもない。充実感もない。もちろん達成感もない。気分がリラックスする一時さえない。CONSTANを服用した時の、一種の放心状態の時だけが休める時間かも知れない。何かに対して義務感を持てない。責任感もあまり感じない。苦痛が全ての根元か?予定が立てられない。自分一人で外出できない。一瞬一瞬が恐怖。目眩や頭痛が何時来るのかと思うと恐怖心で心が一杯になる。今の今でさえCONSTANの効き目で、半ば放心状態なのである。自分の体が一番嫌いだ。自分の精神にとても耐えられない。やりたいことを見付けたい。欲しい物が欲しい。楽しいことを発見したい・・・。そんな気持ちさえないのである。ただ漠然と時間が過ぎていって、またいつもの苦痛を待っているようなリズムが乱れきった毎日の生活がある。時間が過ぎていくのをただ漠然と見つめているような生活、こんなことで私は生きているといってのだろうか?いや、苦痛を感じる知覚だけが生きている。私は神経のみで生きているような感じがする。嗅覚。視覚。触覚。味覚。・・・全ては後回し・・・。感覚、いや神経だけで生きている感じだ。自分の趣味趣向がなくなった。こんな感情は生まれて初めてである。欲しい物さえ見つからない・・・。どうしてだろうか?いや一時の精神的安らぎが欲しい。毎日の苦痛はいらない。健康が欲しい。正常な生活リズムで生活を送りたい。別に取り立てて大金持ちでなくても構わない。日々の生活に困らない程度の収入で構わないから、安らかに人生を送りたい。そうすることで今感じているプレッシャーがなくなればこんなに良いことはないと思う。いっそのこと何か大病であれば・・・などとふっと思うことさえある。私にとってそれは最も恐れているはずな事なのに。精神的な苦痛は、もう沢山である。自分で自分を改善しなくては完治しないことぐらい解っているつもりなのであるが。果たしてそれが私にできうることなのだろうか?もしできるとすれば、その方法はどういうものなのだろうか?全く解らない。見当も付かないのである。阿鼻叫喚の地獄である。まさしく地獄である。人間生きていくことは地獄まがいの出来事との対決であるのかもしれない。もし楽に死ぬことが出来たとして、私が地獄に行ったとしても現状よりはまだましなような気がする。この考えは間違っているのだろうか?友人と長電話で気を紛らわそうと思うが、またあの目眩がやってきたのでCONSTANを服用しなくてはいけない。 

 コンピューターゲーム?自動車?パソコン?私の趣味は何なのだろう?教えて欲しい。病気の恐怖のあまり外にも出られない状態なのにどんなに素晴らしい自動車があっても仕方がない。パソコンの電源を入れるだけで目眩がするのだ。コンピューターゲーム?没頭するほど集中力が持続しない。
 いったい私は何をたよりにして生きていけばいいのだろうか?小次郎の笑顔をみるとこころが朗らかになる。しかし鳴き声を利くと心がかきむしられるようだ。自分の子どもに対して優しい気持ちさえ持続できない。全く私はカタワだ。精神異常、ノイローゼなのだ。ああ。どこかに行ってしまいたい。しかし恐くて自分一人では行くことは出来ない。いったいどうすればいいのだろうか?このぶんだと家族全体の生活リズムやパターンが崩壊するかもしれない。・・・ああ考えたくない。どうにかなってしまいそうなのである。午前3時57分。

7月4日(木)
 午後1時起床、食事後2時間ほど寝る。3時ぐらいにパソコンに電源を入れるが多少目眩を感じるのですぐに電源を切った。それに今日は右後頭部(首の近く)がチクチク痛む。相変わらず目眩も感じる。いつもの午後5時位のうっとうしい目眩は少なかった。(CONSTANは飲んでいない)現在午後9時03分Perdipineを飲んだ。連続して睡眠をとれたせいか、又特別やらなくてはいけない仕事もなかったので、いつものような強い症状(目眩&頭痛)はなかったような気がする。大きく首を振ると目眩がする時がある(当たり前かもしれない。)目眩を感じているときに大きく首を振るとさらに強く目眩を感じる。(これも当たり前の事かも知れない。)

【大学病院精神科】

7月5日(金)
 意を決してとういか、最後の頼み?で大学病院の精神科を訪ねることにした。紹介状もない初診のせいもあってか診察までかなりの時間を待たされることになった。それにその診察の結果も、「そこまで検査しているのなら、大丈夫でしょう。」(やはり大学病院は紹介状の威力が大きいのかも知れない・・・意味は不明だが・・・。)とそっけない返事であった。それと新美クリニックで処方してもらっているCONSTAN(精神安定剤)は副作用もなく非常に優秀な薬であるらしく、それと同じ薬を1週間分出された。そして再度一週間後に来院するように指示された。(主治医を決めるらしい)しかし、CONSTANを毎食後服用しはじめたせいもあってか、若干私の精神状態も落ち着き始めたかのように感じる。ちなみに【偏頭痛予防薬:Perdipine】は頭の中の血の循環を良くする薬らしいことが解った。もしかすると私の精神不安定も山場を越したかのように感じられるが・・・。単に薬が功を奏しているだけなのかも知れない。いずれにしても薬の効果が現れているのだから暫く服用を続けるのが得策なのかもしれないと感じている。しかし大学病院(総合病院)というところは、一般の開業医と比べものにならないくらい時間を食うところである、とにかく人、人、人、である。まるで遊園地でアトラクションに乗るために並んでいる観光客よろしく会計にならんでいる。これが大なり小なり皆病人かと思うと「ゾッ」とした。あまり行きたくない場所であった。また、精神科の待合い室には、「幸せとは、自分が何のために、何をするために、生まれてきたのか、生きているのかを見付けることだ。」と書いてあったのが特に印象に残っている。同時にそのとき私は「太宰」や「芥川」の小説の中の一文を思い出していました。「何のために生きているか、何をしにこの世に生まれてきたか」を見付けられなかった文豪達、いや、私などでは到底理解の及ぶ事のできない深い深い意味での「不安」というものを文豪達は見付けていたのだと思う。そんなことを考えていると、その病室に書いてあった一文も妙に滑稽なものに感じられて仕方がなかった。私は「前向きな精神・・」いや至極単純に「明日も生きていよう」と日々心の底から自分自身で感じれることが人間には最も重要であるのではないか?と言う意味に勝手に解釈をして一人で納得したりしていた。
待合い室にいる数人の患者さんたちも、なにかしらの苦しみを持ってここ(精神科)を頼りに集まっているのかと思うといろいろ私の思いが駆けめぐって、果ては人間ウオッチングになってしまった(余りにも待ち時間が長いのが災いしている)。特に患者さん同士が話をしている内容に耳がいってしまう。女A:「人間落ちるのは早いわね」女B:「そうね、這いあがるのは一苦労なのにね」・・・こんな会話が出来るひとが何故ここへ来るのだろう?とても不思議だった。そうかと思うと、なにやらふさぎ込んだようにうつむき加減でじーっとしている人もいれば、どこやら定まらない視線で宙を見つめている人。文庫本を真剣に読みふけっている成年もいた。これがもし内科や外科だったら私を含めて多くの人々は何も感じないのだろうが、精神科の待合い室であるということだけで全てが異様に感じられてしまうのは単に私の偏見だと思う。前日一睡もしていない自分の体調は最悪(頭痛、目眩、首の重圧感、顔の火照り)にもかかわらず今日はこのように大変貴重な時間を過ごせたと思った。

7月7日(日)
 朝7時起床。朝食(Perdipine飲む)後12時まで寝て昼食(CONSTAN飲む)夕方まで外出して7時前に夕食(Perdipine飲む)今までと比べればまあまあの生活パターンか?(一日3回食べたのは久しぶりだ。)体の具合はというと、悪くもなく良くもなくといったところだろうか?以前の「チクチク」とした頭痛はなかったが、精神的に不安定な感じを時々感じた(目眩や気分が悪くなる感じとして症状に現れていた)。ずいぶん回復に向かっているのかもしれない。が、何か自分の体の中に潜んでいるような気がしてならない・・・。これも神経症の一つかも知れない(実態のないものや、裏付けのないものに怯えているのは全てそうなのか?)今日は出来るだけ早い時間に眠れると良いと願っている。11時52分。

【便に血液が混じる】

7月8日(月)
 昨夜、寝る前にビールを飲んだせいか昼頃目覚めると腹痛がするのでトイレに行った。まぁいつもの下痢だと思っていた。下痢は下痢だったのだが、便に血が混じっていた。というより下痢なので混じっていたのか付着していたのかは定かではないのだが、便の最後のほうに「鮮血」が付着していて、ペーパーにも便に混じって血液が付着していた、その直後に再び腹痛がするのでトイレに行った便の量は少なかったが、ペーパーに少し血液が付着した。(便には血液は付着していなかった。)最高に憂鬱になった私はCONSTANを飲んで寝ることにした。4時頃目覚めて病院(新美クリニック)に行く前にトイレに行ったが、そのときには便にもペーパーにも血液は付着していなかった。病院では「痔」ではないか?との診断だったが、今流行の食中毒の可能性もなきにしもあらずなので、整腸剤と抗生物質をもらってきた。そして「数日下痢が続くようで、また便に血液が混じるようだったら、まず肛門科へいって、痔でないか検査をしてもらいなさい。そして痔でなかったら保健所へ連絡して検査してもらうように」と指示を受ける。全く私の体は次から次へといろいろなことが起こってもう自分でも耐えきれない。夕べ、ビールなど飲まなければ「下痢」等せずに済んだのに・・・。と思っても後悔先に立たずである。内蔵の疾患もしくは食中毒なら、他の症状も伴うはずなので今の所は少し様子を見るほかないと思う。この体調の乱れは何時になったら改善されるのであろうか?夜は夜で頭痛がひどく鎮痛剤を服用したし、CONSTANを飲んでも眠れない(現在7月8日、早朝の6時16分)。腹痛&下痢は完全に治っているし熱っぽくもない。せっかく昨日まで体調も良い方向に向かっていたのにもかかわらずまた振り出しに戻った気分である。憂鬱である。苦痛である。だいたいこんな日記が毎日書けるほど病状がいろいろ変化するのが苦痛なのである。今日親戚のおじさんが亡くなった事や、仕事上で強烈に立腹したことなど書くことは他にもいろいろある筈なのに・・・。いつまでたっても精神が落ち着く暇がない。時間がない。猶予がない。また次回のトイレの時に便に血液が混じっていたら・・・と考えてしまう。あぁとにかく憂鬱だ、果たして私この現状に何時まで耐えなければならないのだろうか、また耐えれるのだろうか?自分でも全くと言っていいほど自信がなくなってきた。どんなに辛くても、悲しくても誰もこの辛さや苦しみを解ってくれないし解ろうとさえしてくれない。みんなきっと健康なんだ。私では理解できないほど健康なのかもしれない。きっとそうだ。病気なんて、まして精神症など全く縁のない人達ばかりなんだ。自分の体に自分で脅えることの不安と恐怖など、皆経験していないのだろうか?それとも私が異常なのだろうか?きっと後者だと思う。毎日毎日が恐怖と不安の連続なのだ。これほど次から次へと病状が現れてくれば仕方のないことだと強くそう感じる。突発性難聴。お多福風邪。髄膜炎。急性膵臓炎(アミラーゼの異常数値 )。胆嚢ポリープ。膵臓の影。下血。目眩。吐き気。頭痛(脳梗塞の恐れ)。精神症。耳鳴り。メニエル症候群。自律神経失調。食中毒や水疱瘡の危険性。やりたい仕事も遊びも、それどころではある筈がない。これでも良く生きていられるものだとさえ自分でも感心してしまう程なのだ。(冗談ではない)誰かが私に呪いをかけているとしか思えない。(冗談ではない)

7月10日(水)
 今日の便には血液は混じっていなかった。しかし気分は相変わらず憂鬱な一日だった。自分の部屋の蛍光灯を明るいものに変えたせいもあるかも知れないのだが、パソコンのモニターを見ていると急に画面・・・というよりか辺り全体の景色が白っぽくなってきた。(カメラで言う露出オーバーな感じである。)私はすぐにパソコンの使用を止めて部屋を出たが、その後またあの不安感が襲ってきた。何を考えるでもなしに不安なのである。(実際はもしかして「頭の中の異常ではないのか?」と考えているのかも知れない。)CONSTANを飲んで横になると3時間ほど眠ってしまった。目が覚めると11時近くだった生活のリズムも滅茶苦茶でストレスがたまる一方だ。3時6分。

7月10日(木)
 11日(金)と続けて2夜、とても不快だった。10日は夜の11時30分頃急に動悸がして、とても強い不安感がした。CONSTANを飲んで気を紛らわしてなんとか寝ることができた。そして11日の夜は頭痛だ。Perdipine(午後4時頃服用)も飲んでいたし、鎮痛剤(午後7時30分頃服用)を飲んだにもかかわらず頭痛が取れなかったので、市販の鎮痛剤を服用(午後11時30分頃)してやっと治まったようだ。なんだか毎晩こんな不快な症状が続いている。今も鎮痛剤で頭痛が治まってはいるものの頭の奥(こめかみの辺り)に痛みが潜んでいる感じだ。(本日はPerdipine1錠しか服用しなかった。CONSTANも飲んでいない。)
 最近はこの記録を書くことさえもおっくうなほど不快感が増している。いつものことだが、マックを起動させると目眩、動悸、首の後ろが重たくなる・・・等の諸症状が襲ってくる。電子メールの返事を一通書くのが限界だし、仕事をこなしていく自信がない。(仕事をするにはマックの前に何時間も座っていなければいけないし。)私はどうすればいいのか?どうすればこの症状を克服できるのか?何が原因なのか皆目見当がつかない。以前はこの記録を書くこと程度ならなんらプレッシャーに感じていなかったが、昨日、今日辺りからなんだか憂鬱になってきた。(同じ様な泣き言の羅列になることが解っているのが嫌な原因かも知れないが・・・)もしかすると暫く記録がストップするかもしれない。(せめて日々に起こった体の症状だけでも記録していきたいと思っている。)左こめかみ辺りに痛みが出始めてきたのでこの辺で今日の記録は終了することにする。7月12日午前3時5分。

【背中の痛み】

7月14日(月)
 背中の肩胛骨の横(背骨より)のあたりがこったように痛む。それに今日初めての症状として就寝前に「息苦しい」感じがした。しかしこれもきっと精神的なものから来る症状であると思われる。朝晩にCONSTANを服用しているせいか良く眠れる。今日はひどい目眩も少なかったが背中の痛みが特に気になった。

7月15日(火)
 起床後パソコンに向かうと、昨日の背中の痛みがやってきた。自分では筋肉痛なのか、何なのか皆目見当もつかない。少し我慢すると痛みが遠のく感じだがまたすぐに痛みがやってくる。しかし体を横にすると楽になる(痛まない)。その後も座ると痛みを感じ、横になると痛みがなくなる状態がずっと続いた。痛みそのものは昨日より増している感じだ(マッサージをしたことが原因かも・・・)。夕食後(7時30分頃)CONSTANを一錠飲んだら眠たくなったので12時頃までうたた寝をしてしまった(今日は頭痛のPerdipineは服用していない)。その後も痛みの症状は変わらず、やはり座ると痛く、寝ると痛まない。いったい何が原因なのか解らない。内臓疾患から来る痛みでなければ良いのだが・・・。背中の痛みのせいもあってか、目眩や頭痛はなかった。これで背中さえ痛くなかったら快適な一日だったのにと非常に悔やまれる。毎度の事ながら次から次へと色々な症状が現れて困惑している。夕食後に仮眠してしまったせいで現在朝の5時である、眠気はあるものの精神的に高ぶっている感じがして眠れそうにない。{龍王堂とかかれた小石が邪気を取ってくれると言うので今日から握っている。信じる信じないは別としても、今の私にはこう言った事に頼るほか他に術はないのだ。全く情けない話である。}この記述を自分で読み返してみて以前から背中の痛みの事について書いてあるが今回の痛みは場所的にはあまり変わりないが痛みの性質が違う事は確かだ、今までは「こり」と言った感じだったが、今回は「筋の痛み」といった感じなのだ。それに座っているだけで「う〜ん」と唸ってしまうほどの痛みがやってくる(痛だるいと言う表現が適切かも知れない)。そうそう思い出したので書いておこう。その後の便通は血液も混じらず通常です。やはり「切れ痔」の出血だったのだろうか?それにもう一つ書いておこう。ここ最近私は夢を良く見る。それも決まって「変な夢」ばかりだ。詳しい内容は忘れてしまっているが、きまって起きた時に「変な夢を見た・・・」と言っている。変な夢?どんな夢だろう。一口に言ってしまえば私にとって不快な出来事の夢といえばいいのだろうか。少なくとも目覚めた時点で、精神的に非常に不快感を感じているのだ。それはその「夢」のせいだ。

■7月16日(水)
 新美クリニックに行く。背中の痛みは筋肉痛らしい。「その後便に血は混じらなかったか」と訪ねられたので、「大丈夫です」と答えた。「紙にも血は付いてこないか?」と質問されたので、「付かない」と答える。年齢の関係もあって念のため検便を行うことになった。又しても検査結果に脅える日々がくるのか?いや、今回はそれほど気にならない、何故なら以前のようにレントゲンに何かが写っている訳でもなく、特別、自覚症状もないのだから・・・(しかし相反する気持ちとして何も自覚症状がない事が一番危険なことかも知れないが・・・いけない、いけない・・・又考えすぎ&心配のしすぎである。)本日の投薬はCONSTAN。Perdipine。湿布薬。整腸薬であった。整腸薬は具合の悪いときにだけ飲むように指示された。Perdipineも、もう暫く一日二錠のペースを守るように言われた。
 それにしても筋肉痛にしては、座り姿勢(背もたれをしない状態だと顕著である。)の時にだけひどく痛む。イライラするほど痛むのだ。しかし横になっていると痛みが消える。全く不思議である。夜12時近く我慢できずにCONSTANを服用した、CONSTANを服用すると多少ではあるが背中の痛みにたいしてストレスを感じ難くなる。
 精神面で気付いた事だが電話が鳴ると憂鬱な気分になるし電話に出たくない。小次郎がマイペースで行動している所を見ると気分が落ち込む。(子供なので仕方のないことなのだが)パソコンに向かう時間が極端に減ったので、テレビを見る時間がかなり増えた。(テレビゲームの画面も含まれる)仕事欲、創作欲(金銭欲ではない)が全く喪失している。次々と変化する身体の状況(症状)に気持ちが付いていかない感じだ。

7月17日(木)
 12時起床、起床後検便。昼食後、出かけて4時頃帰宅、7時頃まで仮眠を取って夕食。ともにCONSTANとPerdipineを飲んだ。昨日にくらべると幾分ではあるが(あくまでも幾分だ)背中の痛みが少ないような気がする。指で押してみても昨日とくらべて痛みが少ないことがわかる。しかしパソコンの前にすわると独特な威圧感が襲ってくるので、早急に作業を済ませて電源を落とした。・・・なんだかやりきれない気持ちだ。背中の痛みが胃の方まで感じられる一時もあったし、憂鬱さと言った面では一向に改善されていない。

7月18日(金)
 背中の痛みだが、以前より改善されている感じである。痛いと言うよりだるい感じに変化してきている。押しても痛みは感じなくなっている。目眩も背中の症状が気になるせいかあまり感じないのはありがたい事である。 

【飛騨へ】

7月19(土)
 20(日)21日(月)と飛騨に行く。岐阜とは比べものにならない位の気温だ、昼と夜は涼しく、朝方など寒いほどだった。そこで十分な睡眠と食事をたっぷり取ることができた。たまっていたストレスも多少解消されたかのように感じた。20日は背中の痛みも全く消えたが、その夜マッサージ機にかかったせいか、痛みがぶり返してきた(痛みといってもだるさだが・・・)飛騨の空気は私の汚れた肺を洗うかのように、たまったストレスを洗い流すように・・・。パワーブックを持っていったにもかかわらず一度も開けなかった・・・。

【岐阜へ戻ると…】

7月22日(火)
 岐阜に帰ると早速仕事関係のトラブル発生でやや鬱気味に陥る。背中のだるさも、目眩もあるが、我慢してパソコンに向かった。連続5時間ほど仕事ができた。(これも飛騨でリフレッシュできたおかげかも知れない)そして生活リズムもあの最悪とも言える例の怠惰のパターンへと一日で戻ってしまった。検便の第一回目の結果が出た、「胃腸からの出血は全く無し」だそうだ。2回目の検査結果は一週間後に聞きに行くことにした。

7月23日(水)
 目眩少なく、背中のだるさ多し。仕事もそこそここなせた感じである。体調は回復に向かっているのかも知れないが私の気持ちは一向に晴々とした気持ちになれないのは何故なのだろうか?不思議である。先日飛騨で感じることのできた心の開放感はすでに消え失せ、いつものような「悶々」とした気分が重く私にのしかかる。きっとCONSTANを服用しなくては、いても立ってもいられない体になっているのかも知れない。背中の痛みは内蔵疾患の影響なのではないかと不安になる。


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