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作品名:人格崩壊。 作者:田島

最終回   死即魁傑
死即魁傑
田島正理 著
 私は今朝、死と云うものを真っ正面に感じました。眼が醒めても、まだ私は眠っていました。身の回りの事が一切出来ないのです。想像してみて下さい。これがどれ程の恐怖心があるかを・・・。日曜日の朝だと思って、起きたら月曜日の朝でした。睡眠薬の乱用で、睡眠時間が極端に変動して、日にちの感覚さえ無くなったのです。体は思うように動かすことが出来ず、思考能力も著しく低下し、自分が誰なのかさえも解らなくなったのです。正しく廃人同然。凄まじい程の恐怖心から来る全身に感じる痒み。トイレに行きたいのかさえも自分で判断出来ないのです。これがどれ程のものなのか解りますか? 異常・・・。平常心を保つことが出来ない精神状態。無音の恐怖。ダラダラとヨダレを垂れ流して、椅子に座ることさえ出来ない有様には、はっきりと死を直面しました。外出も出来ない・・・。その時一本の電話がかかって来て私は命拾いをしました。現実の世界とようやく繋がることが出来たのです。精神錯乱状態の私が、電話に命を拾われるとは思ってもいませんでした。あの電話が無かったら、一体全体、私の体はどうなっていたのでしょう。考えただけでも鳥肌が起ちます。あの世とこの世の境目に真の地獄を観ました。
 誰でも構いません。私を助けて下さい。お願いします。眠る事にさえ恐怖を感じます。


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