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作品名:人格崩壊。 作者:田島

第5回   クリスマス
 クリスマス
             田島正理 著
 メリークリスマス。
他事多き人生に置いて、明日の巧妙な手口の真っ直中で、僅かなりとも幸有らんと欲すれば、可憐に咲く花弁一輪にさえも優しさを覚えんかな。

 幸多き人生を歩めども歩めず。日々の狂気に怯え、ガタガタと手足が震撼する私が居る。

 一輪の花の美しさにも優るとも劣らぬ栄光の日々。語り尽くせぬ苦悩の連続は、怒濤の様に訪れてくる。

 些細なるプレゼントにも怯え、恐怖するこの我が身の不甲斐無さ。

 経った一錠の薬欲しさに人の道を踏み外し転倒し。メリークリスマス。
 人の情けも踏み倒し、憐れなるかな男一匹。

 人の温もりが欲しくて堪らず、人の温もりを自ずと蹴倒し、間抜け面。

 賛美のど真ん中でも阿鼻叫喚。

 阿呆・阿呆と、自ずから罵れば、自業自得と一笑に付される馬鹿・馬鹿。

 暖かいお茶の一杯にさえ有り付けず、路頭に迷う無知無頼漢。

 メリークリスマス。優しいお方の大切な記念日。

 メリークリスマス。そんな人から見放され。地獄の烈火に晒されて、メリークリスマス。


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