「香織!どうして?」 ここは間違いなくわたしの部屋だ。死後の世界でもなんでもない。 「田所さん、あたなもこのサイトを見てたなんて・・」 「それよりあなたは死んだの?生きてるの?」 「死んだわ。今の歴史上はね」 「どういうこと?」 「今あなたとわたしのいるこの世界は、二人しかいないのよ。他の人達がいる時空の外にいるってこと」 「時空の外って・・よくSF小説に出てくるタイムスリップとかの世界?」 「そう、元の世界の時間と空間を越えたもう一つの世界ね」 「信じられない。本当にそんなことがあるなんて・・・・」
香織はわたしのベッドに座り、ゆっくり話はじめた。 「あの占いサイトの古い教会の絵があるでしょ。あれを見ている数秒の間に、あなた、未来へタイムスリップしてたの。そこの未来で、わずかな時間をすごしたあと、現在に戻っていたのよ。そして二度目、同じ歴史をなぞっていたのよ」 「タイムスリップ?わたしが?でも、タイムスリップしたことなんか自分では気づかなかったわ」 「そうよね。タイムスリップしていたときの記憶が部分的に消されるのよ。わたしたちの他にもタイムスリップする人はたくさんいるみたいなんだけど、みんな、その時の記憶が部分的に消される・・・そうして、自分では、ただのデジャブーが起きてるって錯覚してたってわけ」 香織の説明に対しある疑問が湧いてきた。 「でも香織・・・最初、わたしが時空を越えて未来の夕食の時までタイムスリップしたのはわかったけど、もともと、その時の流れの中にいたわたしはどうなっちゃったの?」 「その間、タイムスリップしている間は、未来へ飛んだ自分が、その時空での自分・・・。どうやら、入れ替わるみたいなの。追い出された自分は、おそらく、今私たちがいるこの時空外に押し出される・・・。それ以上のことはわからないの・・・」 いきなりSF小説の中に飛び込み途方に暮れているわたしを見た香織は、話を一旦止めたが、すぐ話し始めた。 「イエスズビレッジっていう影の団体・・・どうやら、彼らがこのからくりを作りだし、同時にこの秘密を守っているようなの。わたしもこのサイト見るようになって、そして、この時空外にきて、やっとここまでつきとめたのよ」 香織は説明を続けた。 「どのくらい先にタイムスリップするのか、そこでどのくらいの時間を過ごすのか、その時の記憶がどのくらい残されるのか・・・自分ではコントロールできないの。ただ、タイムスリップする先はどんどん未来へ伸びていくし、そこで過ごす時間も段々長くなるみたい」 わたしの頭もだんだんすっきりしてきた。 「うん、わたしの最初のタイムスリップは、サイトを見たすぐあとの夕食の時だった。そして、すぐ現在に戻ったのね。その後、一階のダイニング見た風景を、本物のデジャブーだと思って疑わなかった」 「ところが、二度目は、サイトで試験のことを占った翌々日の夜までタイムスリップした・・・そう、わたしのお通夜の時ね。で、すぐ元に戻らず、ある程度の時間を過ごし、お葬式で使うメッセージを書いて・・・」 「だから、二度目に、その歴史を通過したときにタイムスリップした証拠を見て、デジャブーじゃないと思ったんだわ・・・」 「記憶の残り方もその時々によって違うのよ。大森先生や委員長がメッセージを書くようみんなを集めたところくらいまでの記憶は残ったけど、その後、あなたがメッセージを書いたところは完全に消えてたってことね」 香織との言葉のやりとりのひとつひとつを噛みしめていたら、デジャブーの謎が解けてきた。
「香織、あなたは、このサイトの世界へ、偶然きてしまったの?」 「そう、一ヶ月くらい前。そして、イエスズビレッジの謎を解こうといろいろ調べてるうちに、このサイトを使って、あることができることに気づいた。そして、取り返しのつかないことをしてしまった・・・・」 香織の顔がこわばった。 「え?どういうこと?」 「決して許されないことをわたしはやってしまったの。だから、時空外へ飛ばされた・・・・もう戻れないのよ・・」 香織の声が震えている。 「なに?なにをしたの?」 「プログラムを改ざんしたの・・。神の意志を曲げてしまったのよ」 「プログラム?いったい何のことなの?」 ついに香織が泣き声になった。 「ほんのできごころだったの・・・佐智子・・・許して・・・」 香織は、わたしのことを初めて佐智子と呼んだ。 「話して!友達じゃない!」
香織は少し冷静さを取り戻すと、重大な告白をするようにわたしを見つめゆっくり話し始めた。 「このサイトに書かれている内容をよく調べたの・・・。未来へのタイムスリップの話はさっきしたとおりだけど、その未来で、特定の人が起こす行動・・・それが「プログラム」と呼ばれるものなの。これは、元々予定されていた未来に影響を与え、場合によっては全く別の未来に変えてしまうもの・・・なのよ」 香織は視線をパソコンに移し説明を続けた。 「タイムスリップした多くの人々によるいくつかのプログラムが実行され、ある一つの重大な目的が達成される・・・。それが何なのかは読みとれなかったけど、正しくプログラムが実行され、その後、現在に戻ったそれぞれの人々が、再びその歴史を通過するときに、プログラムを改ざんしないよう・・」 「記憶が消される」香織の言葉にわたしの言葉をつなげた。 「そういうこと。未来での行動を人間の心理がもたらすデジャブーと錯覚させ、さらに、プログラムを完全なものにするためにね。ところが、わたしは・・・サイトを操作し、記憶を完全に残したまま現在に戻ってくる方法を知ってしまった・・・。そして、それを実行したの・・」 流ちょうに話していた香織が、再び言葉を詰まらせるようになってきた。 「未来を覗けることを知ったわたしはどうしても試したくなって、自分の意志でタイムスリップしたの。ただ、未来のどこへ飛ぶのかを指定することは出来なかった。そして飛んだ先がこの前のあの試験、覚えてるでしょ。あの時だったの。そして、現在に戻ったわたしは、こともあろうに、試験でいくつかの間違えた答えを・・・二度目の歴史を通過する時に正解の回答に直してしまったの・・」 「そうだったの・・・」わたしはゆっくり答えた。 「サイトには、プログラム改ざんは絶対に許されないってハッキリと書かれていた・・・」 香織は、すっかり精気をなくしうなだれた。 「神様がわたしに罰をお与えになったの。だから、わたしの歴史が、何らかのプログラムの実行で、飛び降り自殺の歴史に変わってしまったのよ・・・。こうなっても仕方ないの・・・」香織はいつしか両手を組み自分の胸にあてていた。 「待って、香織。冷静になって。このサイトに書かれていることの全てが真実だという証拠はないわ。違う?」香織の腕をつかんだ。 「わたしキリスト教のことはよく知らないけど、懺悔の心があれば、本当の神様なら、きっと許してくれるんじゃないの?あなたの本当の神様は見てるはずよ。あなたがクラスのみんなにどれほどの愛をあたえてくれたか・・・ね、あきらめず、元の時空に戻る方法を考えようよ!」 目をつぶって動かない香織に、わたしは必死に話しかけた。 「みんな、あなたが必要なの。もちろんわたしにも・・・それにあなたのお母さん、あなたの死をなんとか納得しようとして・・・とても見ていられないわ」 香織は、痛みを感じたかのように、目をぎゅっと閉じた後、再び、涙声で口を開いた。 「お母さん・・・ごめんなさい・・・」 「香織!」 「佐智子、ダメなの!どうしてもダメなのよ!」 「どうしてなの!?」 香織は、涙を手で拭うと、わたしのパソコンの前に座り、キーボードをたたきはじめた。 「佐智子、これを見て・・」
パソコンの画面にビデオのように画像が流れ始めた。 そこには、身よりのない子供達が預けられている施設らしいものが写っていた。「ひまわりハウス」という表札がある。ハウス前の道路脇で遊ぶ5歳くらいの男の子がいる。 すると、手に持っていたおもちゃが道路の真ん中に転がっていった。男の子はおもちゃを追って道路の真ん中へ走っていく。そこへ、画像の奧の方から手前に向かって、大型トラックが迫ってくる・・・。あっという間に男の子のすぐ後にトラックが・・・」 「あぶない!」思わず声が出た。 次の瞬間、画面がストップし、画像の上を、英語の数行の文章がものすごいスピードで左から右へ流れた。なんて書いてあったかはわからない。 文章の意味を聞こうと香織の顔を見ようとしたが、画面の様子が変わったのを感じ、すぐ目を戻した。すると、ビデオの巻き戻しのように、映像が逆戻りしており、最初の風景が出て止まった。 「今のなに?香織」 「もう一カ所、プログラムの改ざんをしたのよ、わたし・・・」 わたしは、香織が何をしたのかをだいたい想像できた。 「・・・もしかしたら・・・今の映像も香織の未来の出来事ってこと?」 「そう・・タイムスリップして受けた試験の日・・・登校途中の出来事だった」 「そうか!わかった。あの映像の続き・・・あのままトラックが子供をひいた・・・そして、二度目の歴史を通過するとき、再びその瞬間に出くわしたあなたは、子供を助けずにはいられなかった・・・そうなのね香織!」 香織は静かにうなずいた。
「もう、誰がなんと言おうとあなたを連れて帰るわ。あなたが戻れる方法を見つけてみせる!」わたしは声を上げて立ち上がった。やっぱり香織だ、心優しいかけがえのない友達だ。 試験のことだって、香織が未来へ飛んだ日、試験前にあんなショッキングな子供の事故に遭遇すれば誰だって気持ちが動転する・・そのことが原因で、彼女は本来の実力を出せなかった。 もしこれが、香織じゃなくてわたしだったら・・・同じことをしても不思議じゃない。そして、香織は自分のしたことを後悔し、懺悔している。イエスズビレッジのいう重大なプログラムなんかより、彼女の気持ちの方が数百倍理解できるというものだ。
少々気持ちを高ぶらせているわたしを見た香織が応えた。 「ありがとう佐智子・・でも聞いて・・・。戻れる方法はあるの。多分だけど・・」 「え!そうなの? じゃなぜ?」 「わたしが改ざんしたプログラムの二カ所・・・この二つとも元どおりに修正すれば元の時空に戻れるらしいの」 なんてことだ・・・。元どおりということは、香織のおかげでせっかく助かった子供は・・・。皮肉な運命が呪わしかった。 香織は死んでいく子供を放っておけなかった。自らの神を信じ、子供を救ったのに・・・。やはり、香織はイエスズビレッジのいう神の裁きを受けるしかないのか・・・。
「佐智子・・・あっごめん、わたしったらいつの間にか佐智子ってなれなれしく・・あはは・・」香織は、ようやくわたしのことを佐智子とよんでいることに気づき、聖母マリアのような穏やかな笑顔で言った。 「いいのよ、わたしは前から香織って呼んでたんだし、あなたはわたしのかけがえのない友達よ。これからもずっと・・」 わたしにはわかっていた。このあと香織は、きっと自ら決めた自分の運命をわたしに話すのだ・・・そう思ったら急に瞼が熱くなった。 「佐智子、あなたがここへ来てくれて本当に嬉しい。わたしは大丈夫だから・・。ここにいても祈りを捧げられるもの。わたし悲しくないから」 いやだ!このままじゃきっと後悔する。今度は胸が熱くなっていた。 「香織、聞いて!わたしがここへ来たのは、あなたを救うためなんじゃないかって思ってるのよ。あなたがあの子を救ったように」 わたしはいつしか香織の手を握っていた。 「わたし、あきらめない。香織が元に戻っても、男の子が助かる方法・・きっとある、きっとあるよ香織!」 香織もわたしの顔を見つめ、手をぎゅっと握った。二人の心は一つになっていた。
パソコンの前に二人が並んだ。 香織は、このサイトの操作だけで、プログラムを改ざんしたり修正する方法をつきとめていた。そのためにサイトに入力する必要なパスワードも手に入れていた。 「ちょっとペン貸して」 香織はもともと頭脳明晰だが、ここでは持ち前の記憶力を活かすのだろう。頭の中にある九桁のパスワード八つを紙に書き出すという。 わたしは中学の入学祝いに母からプレゼントされた万年筆を胸のポケットから出し香織に渡すと、まるでパソコンのプリンターのように、静かにスラスラと書き始めた。
香織がパソコンを操作し、パスワードを入れるといよいよ、プログラム修正メニューがページに出てきた。 画面に写される香織の試験風景。入力操作を完了した。画面の中で英語の文章が流れる。これで香織が行ったプログラム改ざんの一つ目がキャンセルされた。 すると同時に、例の男の子にトラックが迫るシーンが現れ、画面が一旦止まった。一つ目と連動して二つ目のプログラム改ざんも、改ざん前に戻ってしまうのだ。 「やっぱり何度やってもダメ・・・」香織とわたしは大きな壁にぶつかった。 ここでリターンキーを押さないと、改ざんしたプログラムが元どおりにならない。かといって、リターンキーを押せば、画面の中の男の子がトラックに踏みつぶされてしまう。 「佐智子、やっぱりわたしにはできない・・・」 香織は肩を落とした。
わたしはもう一度注意深く画面を見つめた。あ、ここに一つ・・・。 「香織、ここにあるのボタンじゃない?」 「待って!やってみる・・・」 新たなページが出てきた。 「ここだ!二つが別々に入力できる!」 「香織、やってみて!」 「うん」 慣れたキーさばきで画面がどんどん変わっていく。 「あ、パスワードを聞いてきた」
「だめだ。どのパスワードでも入れない・・・」 香織の言葉に焦ったわたしはこれまでの出来事を思い出すことに集中した。パスワード・・・パスワード・・・パスワード・・・。 考えながらベッドに目を向けた時、そこに腰をおろし、わたしに優しく話しかけてきた父の姿を思い出した。 そうだ!もう一つあった!お父さん、ありがとう! わたしは、香織の置手紙から書き写した例のパスワードのメモを机の引き出しから引っぱり出した。 渡したメモを見て「これをいったいどこで?」香織は驚いてわたしを見つめた。 「説明は後。とにかく入れてみて」 「わかった佐智子・・」 香織が慎重に入力し、リターン・・・。 「入いれた!」 二人は手を取り合って喜んだ。 そして、慎重に作業を行い、最後のリターンキーを残すだけとなった。
「佐智子、これはあなたがやって。あなたにやってほしいの」 香織がわたしの手を取って見つめた。香織は自らの運命をわたしに託したのだ。 「わたった。わたしがやるわ・・・・」
わたしは、祈るような気持ちで最後のリターンキーを叩いた。 その音がやけに部屋に響いたように思えた。 再び英語の文章が画面の中を猛スピードで走った。
次の瞬間・・・子供を襲うトラックの画像が現れた。 「なぜ!」二人はほとんど同時に声を上げた。トラックは容赦なく子供に襲いかかる・・・止まらない・・・。 切り裂くブレーキ音・・・・。 わたしは、画像を止めようと、キーボードのいろんなキーを無造作に叩いていた。しかし、カチャカチャという音が虚しくしだけだった。
「香織!どうしよう・・」 「香織?」 そこに香織はいなかった。ブレーキ音が最大になると同時に、画面が二度目のまばゆい光を放ち、わたしの部屋全体を飲み込んでいった。
わたしは、いつもどおり自分のベッドで目覚めた。時間は午前九時。 夢だったんだろうか?パソコンの画面は?近づいてみたら、あのサイトの画面じゃない。電源オンの初期状態だ。一階のダイニングからは、母が朝食を作る音のほかに、父と話す声が聞こえ、今日が日曜であることがわかった。香織と時空外で再会したのが土曜のはず。とすると、あのすごい光の後、気を失ったのか・・でもどうやってこのベッドに・・・パジャマも着てるし・・。 とにかく香織と二人でやったプログラムの修正がどうなったのか確かめないと。
着替えて、両親に内緒で家を出た。穏やかに晴れた日曜の朝だった。 まず、香織のお墓に行ってみよう。わたしは自転車にまたがった。香織のお墓は同じ町内のはずれにある。一度も行ったことはないが、クラスメートに聞いたことがある。 学校の前を通り、竹やぶの横を通るのが近道だ。えっと確かこのあたりにお寺があるはず。おかしい、お寺がない。自転車を手で引きながら歩いていたら、いつしか子供達の声が耳に入ってきた。保育園かな?でも今日は日曜だし・・・。表札が目に入った。「ひまわりハウス」・・・・。 門の前に自転車を止めて、恐る恐る園庭を覗いてみた。 すると・・・あの男の子がいた。トラックの事故から、香織が救ったあの子だ。 まるで天使のような笑顔を振りまいて元気に走り回っていた。 あの子がここにいるっていうことは・・・ 再び自転車にまたがり、次を探そうと急いだ。 あった、お寺だ。自転車を止めお墓の方へ急いだ。たくさんあるお墓の中、どれが香織のうちのものかわからない。 うろうろしていたら、品のいい婦人が一人、こちらに向かって近づいてきた。香織のお母さんだ。わたしは反射的にお墓の影に隠れていた。 右手に・・花を持っている・・・。 やっぱり・・・香織はこの時空に戻っていない。ダメだったんだ・・。 香織のお母さんが墓石の前で手を合わせる姿を遠くから見て、自転車まで引き返した。 帰り道、自転車のペダルが重かった。 香織・・香織・・やっぱりダメだったの? あのサイトでちゃんと最後まで操作したのに・・ひとつひとつ確認したのに・・ね。 まさか、最後のあのリターンキーの後、ひまわりハウスのあの子を救うために自分を犠牲にしたの?あの瞬間そう決めたの?それでわたしの前から消えたの? 頭の中がぐるぐる回っていたが、帰りは迷うことなく家についた。 そうだ、もう一度あのサイトにアクセスしよう。 パソコンを立ち上げ、いつもどおりにキーボードを叩いた。 おかしい・・いつもなら表示されるあの画面が現れない。 あっ!あの占いサイトがなくなってる。 どうしよう・・・もう香織のことを調べる手がかりが何もなくなってしまった。 結局、香織が自殺した歴史のまま何も変わっていない・・・。 ベッドにひっくり返り天井を見つめた。 香織はやっぱり自分を犠牲にしてあの子を助けたんだ・・・半分開いた部屋の窓から教会の鐘の音が聞こえた。礼拝の鐘の音など、いつもなら耳に入らないのに、今日に限って・・・。涙の筋が目尻を真横に伝い枕が濡れた。
突然、ピッという音がしてパソコンの画面が変わった。あのサイトの画面だ! 画面に顔を近づけ、食い入るように見つめた。 例の古い教会の絵・・・。あれ?夕暮れ時の教会の絵が段々明るくなってきた。この絵・・・もともと夕暮れ時じゃなくて日の出前の風景だったんだ。 絵の中の十字架が朝日を照り返し、一筋の光を放った次の瞬間、画面にまた英語の文章が流れた。そして、最後の行に一文字一文字がゆっくり現れた。 日本語で「あ り が と う」・・・。 そして、画面はゆっくり消えてしまった。 「香織!」わたしは、ベッドに顔をうずめ声を上げて泣いた。
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