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作品名:ガラスの破片 作者:ノラ猫

第2回   2


灰色の空は低く

今にも建物を押し潰しそう


だけど私が

いくら腕を伸ばしても

指先は雲を掴めない


灰色の空は低く

今にも建物を覆い隠しそう


だけど私が

どれだけ腕を伸ばしても

指先に触れられない


いつの間にか

何もない空間に漂う指が濡れる

伸ばしただけの腕が濡れる


温度のない透明な雫

灰色から色を貰わずに

いくつも落ちてくる


青い空が見たくて

分厚い雲をどけようとした


だけど私には

いくら頑張っても

届かない


雫が

とても冷たく

私の頬を伝い落ちた


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