ようこそゲストさん
■ 目次へ
作品名:
ガラスの破片
作者:
ノラ猫
第2回
2
灰色の空は低く
今にも建物を押し潰しそう
だけど私が
いくら腕を伸ばしても
指先は雲を掴めない
灰色の空は低く
今にも建物を覆い隠しそう
だけど私が
どれだけ腕を伸ばしても
指先に触れられない
いつの間にか
何もない空間に漂う指が濡れる
伸ばしただけの腕が濡れる
温度のない透明な雫
灰色から色を貰わずに
いくつも落ちてくる
青い空が見たくて
分厚い雲をどけようとした
だけど私には
いくら頑張っても
届かない
雫が
とても冷たく
私の頬を伝い落ちた
← 前の回
次の回 →
■ 目次
■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 444