海と空との境界線
そこにあるのはガラスの足場
ゆらゆら揺れる波の上
そこから見上げれば
遠く遠くに一つの光
その揺れる波にあわせて
薄いガラスも静かに揺れる
無力な人間(ヒト)を乗せて
ユラユラ揺れる波の上
そこから見下ろせば
深く深くに続く闇
小さな小さな細い罅
薄いガラスに音無く走る
無知な人間を乗せて
見上げれば遠すぎる光
見下ろせば底無き闇
自ら走らすその罅は
大きな蜘蛛の巣のように
無数に走る
どこかで響く鋭い叫び
砕ける音は一瞬で
闇に消えるも一瞬で
遠い光は破片を煌かす
境界線がまた消える
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