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作品名:ガラスの破片 作者:ノラ猫

第1回   1


海と空との境界線

そこにあるのはガラスの足場


ゆらゆら揺れる波の上

そこから見上げれば

遠く遠くに一つの光


その揺れる波にあわせて

薄いガラスも静かに揺れる

無力な人間(ヒト)を乗せて


ユラユラ揺れる波の上

そこから見下ろせば

深く深くに続く闇


小さな小さな細い罅

薄いガラスに音無く走る

無知な人間を乗せて



見上げれば遠すぎる光

見下ろせば底無き闇



自ら走らすその罅は

大きな蜘蛛の巣のように

無数に走る


どこかで響く鋭い叫び

砕ける音は一瞬で

闇に消えるも一瞬で

遠い光は破片を煌かす


境界線がまた消える


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