「不思議だよな・・・どんなに仲がいいと思っていた相手とも結局は携帯だけでしか繋がってなかったって事なんだな・・・ 携帯を変えてしまえば全て消されて二度と会うことも出来なくなるんだ。 そんな繋がりってなんか虚しいな・・・・」 「そうですね・・・でも僕はそうは思わないことにします。 緒方さんは絶対僕の事忘れたりしないって信じてますから! それに僕の中の緒方さんもずっといるって思ってるし!!」 「あははははすごい自信だな。緒方さんは僕を忘れないか・・・」 「はい!僕が忘れないから、緒方さんもきっと同じ気持ちだと思います。 それに、会いたい絶対会えるって信じていればきっと会える。そんな気がします。 その時までに僕、立派になってないといけないですよね!」 「そうだな・・・」 「今日は忙しいのにすいませんでした」 原田は吉岡の元を去って行った。 「何だあいつ!結局何しに来たんだか・・・ それに何であんな晴れ晴れした顔で・・・」
吉岡の前では晴れ晴れと吹っ切れた表情だった原田も一人きりの帰り道やはり涙が溢れてどうしようもなかった。 自分の最後に取った行動が結局こういう結果を招いた・・・ その事がやはり自分の中で引きずっているのは事実であった。 あの日の事を思い出すとやはり辛かったのだ。 この日の学校は行く気にはならなかった。
帰りの電車に乗っていた時だった。原田のポケットの中の携帯が震えた 「メールだ・・・誰だろう・・・学校に行っていない自分を心配して誰かがメールを送ってくれたんだろうか・・・」それ位しか思いつかなかった。 送信者を見て思わず電車内だという事を忘れ声を上げてしまった。 「緒方さん?!」 周りの目が一斉に自分に向いた。 電車は丁度、次の駅に到着するところだった。 降りる駅ではなかったが原田は急いで電車を降りた。
「僕!元気になった?会社も辞めて僕の前からも消えて、私は新しい人生を歩き始めてるよ。僕はどう?もう2度とメールはしないって思ってたんだけど、何だか僕が泣いてる気がしてメールしちゃった。今も私にとった自分の態度を気にしてるんじゃないかって・・・・ そんな事で自分を責めてる気がして・・・ 違うんだったらいいんだけど、でも大抵こういう感て当っちゃうんだよね。だからやっぱりメールすることにしたよ。僕!私が今こうして自分を取り戻して自分らしく生きられるようになったのはみんな僕のお陰だよ。僕には感謝以外の言葉は何も浮かんでこない。 僕が私の前に現れなかったら今の私は無いと思う。僕は私の救世主だね 私の心の中には僕のスペースがちゃんとある 僕の心の中に小さくてもいいから私のスペースはある? そのスペースってきっと永遠なんだと思う。 だから僕はもう私の事は心配しなくても大丈夫、今違うところで楽しく働いてるから。 僕も何かやりたいことを探すっ言って私の元を退社していったんだから、それを早く探さないとだめだよ。学校も休んだりしたらだめだからね、じゃあこのメールを送った瞬間に又メルアド変えちゃうから返信はできないよ、僕元気でね」
携帯を変えたまゆみだったが原田のメルアドと電話番号だけは記憶として残り それまで消えることは無かった。きっとこの先も永遠に消える事はないだろう でもだからと言って2度と自分からは絶対メールはしないと決めていた。
まゆみからのメールに原田の目からは再び涙が溢れてきた 「やっぱり緒方さんは僕の考えてる事全部分かっちゃうんだ・・・・」 原田は自分がこの先どう生きるのか、真剣に自分の未来に向き合わなければいけない そして2度と過去を振り返らない事を自分とまゆみに誓った。
メールの送信が終わると原田に伝えた通りまゆみはすぐにメルアドを変更した
次の日の事だった。事務所に出向いたまゆみに たまたまそこに居た売り場の若い娘達の会話が耳に入ってきた。
「ねえねえ!!今日お店に来ている保安の人カッコいいよね!!」 「あっ見た見た!カッコいいよね!」 「あんな人、今まで来た事なかったよね?」 「え〜〜私未だ見てない!!今何処の売り場に居るのかな?」 「独身かな?誰か昼休みにランチ誘ってよ!!」 「え〜〜!!あんたが誘えばいいじゃない!!」
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