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作品名:Space 作者:うさぎ

第37回   37
「お前は最低だな!誰だって辛い時も苦しい時もある。でも自分を本気で心配してくれる人まで傷つけるなんてほんとにお前は最低な奴だな。今頃緒方さんがどうしているのかそれこそ俺は心配だよ。これから探しに行くけどもうお前の所には来させないからな!!」
原田は何も言い返せなかった。

夜中にすっ飛んできた?
僕からのメールだと思って??緒方さん・・・本当に心配してくれてたのに・・・
吉岡に怒鳴られた原田は少しづつだったが自分を取り戻し始めた
吉岡は原田の病室を飛び出るとまゆみの走り去った方向へと走って行った。
吉岡が飛び出した後、暫くして原田もベッドから起き上がり
そのままの格好で病室を飛び出して行った。

二人の青年がまゆみを追いかけたが、
まゆみの姿を見つけられたのは、
まゆみの走り去った方向など全く知らない原田の方だった
まゆみは病院の近くのバス停のベンチに腰を掛けやはりうずくまる様にして声を殺して泣いていた。

バスに乗る為ここには来たものの、泣きながらではバスに乗ることも出来ず
何台かバスをやり過ごしていた。

まゆみの耳に突然荒い息使いが聞こえてきた。
息使いのする方に顔を上げるとまゆみは驚いた
病室に居るはずの原田が自分の目の前に立っている。
しかもパジャマ姿のまま、おまけにスリッパのままで・・
驚いたまゆみは思わず立ち上がった
「僕!どうしたの?そんな格好で、それに何でこんなとこにいるの?
だめじゃないちゃんと寝てないと!!」
「あはは。緒方さん又僕の心配してる」
「えっ?」

まゆみは原田が吉岡と会った事など想像もしていなかったので
自分の前で笑っている彼の姿に何だか狐にでもつままれたような気がした。

吉岡は少し離れた所から二人の様子を見つけた。
自分は出る幕ではなさそうだと判断した吉岡は
二人に背を向けそのまま病院へと戻って行った。

「僕・・・」話しを続けようとしたまゆみを原田は遮るように話し始めた
「緒方さん、さっきはすいませんでした。僕・・・」
今度はまゆみが原田の会話を遮った
「僕!ごめん。もう余計な事はしないから大丈夫
もう、2度と僕に連絡取らないって決めて
僕のメルアドも電話番号もさっき消したから・・・
じゃあね。僕は早く病室に帰らないとだめだよ」

まゆみは原田に背を向け走り出そうとしたその時
「緒方さんちょっと待って!」
原田が後ろから声をかけた。
「僕さっき言い過ぎちゃって・・・ほんとにすいませんでした」
自分の気持ちを話すことの苦手な原田が
今必死に自分の気持ちを話そうとしている
原田がどういう思いでここに来て
どういう思いで私に話しをしているのか
分かりすぎるほど分かっているまゆみは
今ここで原田を思い切り抱きしめてしまいたかった
でもそれをしてしまったら、この子はきっと壊れてしまう・・・・



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