崖の下には緑の森が広がっている。ここから落ちれば助からない。それでも気持ちは下へと向かって落ちようと叫んでいる。 耳をすませば「チチッ」と鳥の声がする。遠くから何かの獣の叫びが木霊した。 「ダンテ、危ないわよ」 母さんが料理をつくって待っている。鍋からおいしそうな湯気が上がっている。 「・・・うん、わかった・・・」 振り向き返事をした後、もう一度頭を崖の下へと覗かせた。 森から何かが出てきた。不思議そうにそれを見つめる。 「チチチッ」と泣き声をあげながらそれが近づいてくる。もっとよく見ようと顔を下に落とした時、ソレが顔面を掠めていった。 「わあっ!」 声をあげて尻餅をついた。ソレがゆっくりと降下してくる。ソレは小鳥だった。 「・・・小鳥」 緑色の小鳥だ。どんな種類の小鳥なんだろう。母さんは知ってるだろうか? 小鳥はダンテの顔に止まった。
「うっうう・・・」 夢? それにしてはリアルな夢…。 目を開けると顔から何かが飛び去った。夢で見た小鳥だ。色も緑色である。 「・・・小鳥」 ダンテは呆然と小鳥が飛び去った後を見つめている。その先には青空が広がっている。雲1つない空だ。 暖かい風がダンテの頬をなでた。 手に暖かい感触がした。隣を見てみるとノゾミがいた。 ノゾミは目を閉じて、「クウ…」と寝息をたてている。熱い寝息がダンテの頬にかかった。 「・・・また寝てる・・・」 ダンテは呆れてノゾミを眺める。 ノゾミの小さな顔に黒い髪がかかる。髪がピンク色の唇に当たる。その髪が寝息の風でサラサラと動く。 「女の子って…大きくなったら母さんみたいになるのかな?」 ノゾミの胸は平たい。母さんみたい丸みがでてくるのだろうか? 背だって大きくなる。きっとお尻だって大きくなるんだ。 ソネット母さんを思い出す。 ダンテは少しだけ・・・ノゾミを見てクスリと笑った。
「―やあ。小さな『世界の女神』さん。あとは・・・小さな『烙印の騎士』さん。君たちを歓迎するよ」 「うわっ!」 男の子が上から覗いてきた。ダンテは驚いて飛び上がった。 「んっ・・・」 ノゾミもその拍子に起き上がる。 「あっ、あなたは?」 「僕? そうだな・・・シンジ。僕の名前はシンジだ」 黒い髪の男の子は笑った。白い歯が口から見える。顔はどこか落ち着いている。 男の子の黒い瞳がジッとダンテを見下ろした。 ノゾミはまだ眠そうに目をこすっていた。
「・・・どうなっているんでしょうね? カンタロウさん」 「そうね。この世には説明のできないことがある。そういったものを保管しているファイルを・・・」 「いや・・・どうでもいいんじゃない? そんなこと」 キク、カンタロウ、ソネットの3人は上を見上げた。目の前には巨大なレンガの壁がある。その壁が3人の前を塞いでいるのだ。 レンガの壁は網目状に積み立てられている。手に触れてみるとザラザラとした感触がある。丈夫そうなので叩いても崩れそうにない。 「それにこの地面…」 ソネットはダンダンと地面を踏んだ。その地面は柔らかく、ソネットの力を反射させた。ソネットは「きゃ!」と小さく悲鳴をあげた。 「まるで綿菓子ね…」 「・・・なあキク」 カンタロウが意味深な顔でキクに話しかけた。 「なに?」 「俺の故郷では死んだ世界のことを天国という。もしかするとここは・・・」 「馬鹿ねぇ」 バキッ! キクの背はカンタロウより小さいので、キクは下からカンタロウの頭をしばいた。「ぶっ!」という鈍い声をあげて、カンタロウは白い地面に倒れこんだ。 「・・・ねえ、今鈍い音しなかった…」 「大丈夫だって。死にはしないわ」 キクは子供っぽくケラケラ笑った。 「・・・あっ! ダンテ! ダンテ探さなきゃ!」 「そうね。ノゾミもこの近くにいるのかもしれない。この壁づたいを歩いてみましょ」 ソネットとキクはカンタロウを置いて歩き始めた。 カンタロウは急にガバッと起き上がった。 「あっ・・・今死んだ爺さんに会った」 「あんたが生まれた時にはすでにいなかったんでしょ? 顔もわからないくせに」 キクは思い出したようにカンタロウの服を掴むと、放心状態のカンタロウをズルズルと引きずりながら歩いて行った。 「あなたって意外に力強いのね…」 ソネットは2人の姿を見て呟くように言った。
「さあ、こっちにおいで」 シンジはダンテとノゾミを誘うように手招きした。ダンテとノゾミは誘われるままシンジについていった。 「こっちだ」 シンジがレンガの壁のドアのような形をした穴を通り抜ける。 ダンテはノゾミの顔をチラリと見た。ノゾミもダンテを見つめる。2人は頷きあうと、シンジの通った穴を通り抜ける。 「・・・わあ」 思わずダンテの口から声が漏れた。そこは広い庭園だった。 緑の芝生が絨毯のように敷き詰められ、サラサラと動くダンテよりも大きい木が何本も壁近くに生えている。赤、黄色、青、紫といった花を植えた花壇からは、豊潤な香りがする。木から青色の小鳥が5羽飛び立っていく。 その庭園の真ん中に、木でできた白い机が置かれていった。机の席には長い黒髪の大人の女の人が座っている。女の人は気持ちよさそうに空を見上げていた。 女の人が3人に気づいた。女の人の口元が微かに微笑んだ。 ダンテは始めてみる女性に頬を赤らめながらドギマギしている。ノゾミは小さくお辞儀をした。 「僕の母さんだ」 シンジは女の人を紹介した。 綺麗な人だなとダンテは思った。自分の母さんにはない気品さと品性を持っている。まるで貴族の女性みたいだ。 ・・・それじゃあこの子は貴族の子かな…。 ダンテはチラリとシンジを見た。 「もうすぐメイドがお菓子とお茶を持ってくる。おいで、ご馳走するよ」 シンジは屈託のない笑顔でダンテ達を誘う。 ダンテは迷っていた。今まで貴族達にいい思いを感じた事はない。 ダンテの背を押したのは・・・ノゾミだった。 「行こう」 ノゾミはダンテの手を取ると前へと歩き始めた。ダンテは仕方なくノゾミの手を握りながらシンジの後をついていった。 ダンテはコチコチに緊張してチョコンと席に座った。ノゾミはスカートを椅子からおろして座り、手を膝に置いた。 「そんなに緊張する事はないよ」 シンジはダンテを見て言った。 「うっ・・・うん・・・」 ソネットの傍を離れた事のないダンテにとって、緊張するなというのが無理だった。こうやって他人と向かいあって座るというのはあまり経験がないのだ。 「クスクス・・・」とノゾミがダンテの様子を見て笑い始めた。 「わっ笑うことないじゃないか」 「大丈夫。この人達は何もしないわ」 「わかってるよ・・・」 ダンテはスネたように視線を下に向けた。すると、美味しそうな臭いが鼻孔をくすぐった。 臭いの元を追っていくと、大きな建物から赤い髪の使用人姿の女が何かを持って出てきた。 「へい、お待ち」 女は無愛想にそう言うと、ダンテとノゾミの前に白い三角形のお菓子と赤茶色の液体が入っているコップを置いた。 「・・・なに? これ?」 ダンテは白いお菓子を指さして言った。 「ああ、これはケーキって言うんだ。そのお茶は紅茶だよ」 「・・・食べていいの?」 「いいよ」 ダンテは手づかみでケーキを口に運んだ。ノゾミはケーキの傍にあるフォークを使ってケーキを食べる。 「おいしい!」 ダンテは初めて食べる柔らかい食感と甘い味に驚いた。そしてペロリとケーキを平らげてしまった。 「おっ、おいおい」 使用人の女は呆れてダンテを見つめた。 ダンテの口の周りにはクリームがついている。 「メイド、ナプキン」 シンジは赤髪の使用人に命令した。 「メイド言うな。私にはマザクって名前があるんだよ」 マザクと名乗った女はシンジに文句を言った。 「そんなこと言っていいのかな? 今日の晩飯…抜きにするよ?」 「なっ!」 マザクはビクリと体を仰け反った。 「・・・申し訳ありません。すぐにお持ちします」 額に血管を浮かばせながらマザクは素直に(?)シンジに従った。よほど晩飯抜きはきついらしい。 「いいよ。服でふくから」 ダンテはゴシゴシと腕の服で口元をふいた。 「ノゾミはまだ食べるの?」 「・・・・・・・・・」 ダンテから嫌な気配を感じたノゾミはその言葉に背を向けた。なぜなら、ダンテがモノ欲しそうにノゾミの残ったケーキを見つめているからだ。ノゾミは言葉ではなく、態度で拒否を示した。 「・・・チェ、母さんならくれるのに」 ダンテはすねたように言った。 その言葉を聞いたノゾミはフォークを持った手を止めた。 「・・・わかった。あげる」 「ほんと!?」 ダンテは目を輝かせた。それに反してノゾミの体がプルプルと震えている。何事かとダンテはノゾミを見つめていると、ノゾミがダンテの方へと振り返った。 ノゾミは号泣していた。目から涙が滝のように流れ落ちる。目はウルウルとすっかり潤っている。 よほどケーキをあげるのが嫌みたいだ。 「やっ・・・やっぱりいいよ・・・」 ダンテはさすがに可愛そうに思い、ケーキをノゾミに譲った。 ノゾミはまだ泣きながらケーキを食べている。ケーキを食べ終わってもノゾミは泣いている。 そんなにショックだったのかとダンテは思った。 「あっ、あのさ。もうケーキはないの?」 ダンテはシンジに聞いた。 「どうして?」 「その、ノゾミにまたケーキをあげられないかな?」 「・・・ノゾミが泣いているのはケーキのせいじゃないよ」 「えっ?」 「君のせいだ」 シンジはピシャリと言った。 「・・・そうだね。ごめん」 ダンテは素直にシンジに謝るとノゾミの方を向いた。 「ノゾミ。ごめんよ」 ダンテはノゾミに頭を下げた。 「・・・誓い」 ノゾミはボソリと呟いた。 「?」
「私と誓って、ずっと一緒にいるって」
ノゾミは涙を手で拭いながら言った。 「うん、いいよ」 ダンテはあっさりと頷いた。 「じゃあ、指きりしよう」 「指きり?」 「そう。こうやって小指と小指を絡めるの」 ノゾミはダンテの手を取った。そして自分の小指とダンテの小指を交わらせた。 「もし約束を破ったら―」 ノゾミの赤い瞳がダンテを見つめる。その瞳の中にある烙印が白く輝く。 (あれ?) ノゾミの右の瞳にあったはずの烙印が消えている。どこにいったんだろう?
「―私と死んでくれる?」
ノゾミははっきりとそう言った。それは冗談という感じではなかった。 「・・・うん、いいよ」 ダンテはもう一度頷いた。 「おい・・・いいのかよ?」 マザクがシンジに小さな声で言った。シンジはその言葉に反応することなく2人の様子を見守っている。 「・・・ありがとう」 ノゾミは嬉しそうに笑うとダンテから小指を離した。ダンテもノゾミの機嫌が良くなったので安心したかのように顔をほころばせた。 「成立したね。おめでとう」 シンジは静かに言った。シンジの母親は何も言わなかった。ただ黙って2人の様子を見ている。 「―ダンテ。君はまだ幼い。その意味がまだわからないかもしれないが・・・とにかくおめでとう2人とも」 シンジは席から立ち上がった。 「メイド、あとは頼んだよ。あと2人とも、しばらく自由にしていい。君達に見せたいものがあるんだ。しばらく待っていてくれ。それを見終わったら仲間の所に帰してあげるよ」 「―君は…何者なの?」 ダンテはシンジに向かって言った。シンジは立ち止まると空を見上げた。その顔はどこか大人びていて・・・子供とは思えなかった。 「僕は…そうだな。元『赤眼の者』・・・いや、ただの子供さ。行こう。母さん」 シンジの母親は立ち上がると、静かにシンジの後を歩き始めた。
ダンテはただジッと待っているのは嫌なので、すぐに建物内部に興味を示した。好奇心がダンテの体をくすぐる。 「ノゾミ! この建物の中に入ってみようよ」 ノゾミはお茶を静かに飲んでいた。 「―嫌」 「えっ!? どうして!?」 「もうあなたは私の伴侶になったのだから。私は自由にさせてもらうわ」 ノゾミの姿はまるで貴族の女性みたいだ。優雅にもう一口お茶をすすった。 ダンテは伴侶という意味がわからなかったが、ノゾミが自分と一緒に行きたくないということだけはわかった。 「えぇ〜。どうしてだよぉ〜。ぶう〜」 ダンテは頬を膨らませた。 「ダンテ1人で行って」 ノゾミはそう断言すると傍に寄ってきた小鳥にケーキのくずを与え始めた。 「・・・ちぇ」 ダンテは仕方なく建物の中に入っていった。 建物の中は外と比べるとひんやりとしていた。崩れたレンガの隙間から小さな花が咲いている。その花に白い蝶がヒラヒラと止まった。 ダンテは崩れそうな階段をのぼると、ぶつぶつと独り言を言い始めた。 「ちぇ、女の子ってどうしてあんなに大人ぶってるんだろ」 その独り言でさえ反響した。その静寂ぶりにダンテはいっそう辟易した。 ・・・コトッ 音がした。 ダンテの動きが止まる。 (何かいる・・・) ダンテは慎重に歩みを進めた。ソロリソロリと音がした方へと向かっていく。 (あの壁の向こう側だ…) ダンテはそおっと壁から向こう側を覗いた。 そこには・・・タバコを吸っているマザクという使用人がいた。 「―おうっ!」 マザクは手をあげた。ダンテは見事に見つかってしまった。仕方がないので渋々壁から出てきた。 「あんたも災難だねぇ。その年で結婚するなんて」 「・・・結婚? 結婚てなに?」 「・・・あんた、それも知らずにあんなことしたのかい? まあその年じゃぁねえ」 マザクは困惑したように手を額に当てた。 「ねえ結婚てなに?」 「・・・母ちゃんに聞きな」 「なんだよ。マザクは結婚したことないのかよ?」 「あっ、お前そういうこと言う? このくそガキ」 マザクはダンテの頭を両手でグリグリし始めた。 「いたたた・・・」 さすがのダンテもすぐに謝った。そうすると、マザクは手をダンテの頭から離した。 「まったく・・・」 「いってぇ〜・・・じゃあマザクは何をしてるのさ?」 「私かい? 物書きさ。私の本知ってるかい?」 「知らない」 「そうだろうな。あれはお子ちゃま向きじゃないからな。じゃあ私が元賞金稼ぎであのS級犯罪者、ゴキブリを倒したことで有名なことは知ってるかい?」 「ううん、知らない」 ダンテは首を横に振った。 「・・・マジ?」 「うん、全然知らない」 「・・・おっかしいなぁ〜もう伝説として語られてもいいはずなのになぁ〜」 マザクはポリポリと頭を掻いた。 「マザクは物語が書けるんだ」 「そうさ」 「どうして物書きをしてるの?」 「・・・そうさねぇ〜。美しいから、かね」 「美しい?」 「ああ、物語ってのは一見不条理に書かれているようでも実は合理的にできてるんだ。だからたまに物語を読んでいて展開が読めてしまうっていうことがあるだろ?」 「うん、ある」 「だから美しいものを書ける。悪くなるものも綺麗に書ける。それが楽しいのさ」 「へえ〜」
「・・・まっ、それだけなんだけどね。創作物ってのは美しいだけ。得るものなんて何もないのさ」
マザクはタバコを壁にすりつけると傍にあった陶器の器に入れた。 「・・・そうだ。お前。マテリアっていう女を知ってるかい?」 「マテリア・・・ううん」 「そうか。まあそうだよね。こう見えてもこの世界は広からな」 マザクは窓辺に手をつくと身を乗り出した。暖かい風が赤い髪をゆらした。 「知り合い?」 「仲間さ。昔一緒に旅をしたね。…懐かしいな。あの時は、しゃべる変な猫がいて、女嫌いなガキがいて、そして・・・いつも私の胸もんではしゃいでたあの子がいた・・・」 マザクは「ククッ」と笑った。遠くを見るその目はまるでその時のことを思い出しているようだ。 「冒険してたんだ?」 「ああ、ある時には深い森でマルスオフ達に囲まれたり―」 マザクは剣を持っている仕草をした。 「ある時は深い崖を登ったり、またある時には犯罪組織を壊滅させたり、帝軍達と戦った時もあったなぁ…楽しかったなぁ・・・」 マザクは剣を鞘に収めるように右腕を引っ込めた。 「そして私達は世界の中心にある島へと向かったんだ。―そこで3人の強敵と出会った。S級犯罪者ゴキブリ、同じくS級犯罪者カラス、そして『13人の赤眼の者』の1人、『2番目の息子』ファースト。私は仲間であるロットを護るために決死の覚悟でゴキブリと戦ったね。まあ奴もなかなか強かったけど私の足元にもおよばなかったなぁ」 「ふふん」とマザクは鼻を鳴らした。
「―あれから・・・もう何年になるかねぇ・・・。最後にあの子を見たのは…白いベッドの上で誰かを待っているかのように窓の外を見つめる姿だったなぁ」
『ねえ―マザク…あの人はきっと・・・帰ってくるよね…』
「・・・・・・・・・」 ダンテはマザクから目が離せなかった。マザクの目はどこか悲しそうだった。顔は寂しげに遠くを見ている。 その姿は…どこか綺麗で…目が離せなかった…。 「・・・おっ! 呼んでるぜ」 「えっ?」 「ほらっ、あそこあそこ」 マザクは指をさした。その指の先には手を振っているノゾミの姿があった。 「う、うん。すぐ行くよ」 ダンテはもう一度マザクを見ると、走って階段を降りていった。マザクはダンテに向かって手をあげると、また窓の外から遠くを見つめた。 暖かい風がマザクの赤い髪をゆらす。遠くでは白い地面が蛇のようにウネウネと動いている。マザクはもう何百回とその光景を見つめている。
『・・・ああ、帰ってくるさ』
「―なんであんなこといっちまったんだろうねぇ・・・。何の根拠もないのに」 マザクは窓から離れると壁に背をもたれた。使用人の服が胸をしめつけた。その痛みは心の痛みようにも感じた。
「―マテリア・・・幸せになってくれてるといいんだけどね。せいぜい私にできることは物書きぐらいさ―」
マザクは自嘲気味に笑うと目を閉じた―。
―瞳の奥で…マテリアが楽しそうに笑っていた…。
『大樹の城(1):了』
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