くっそー、なんやねんこの女。見た目は綺麗やけど性格は最悪やな。普通、初対面の相手にそこまで言うか?
「それにしてもバッツ、一体どうやってここまで来たんだ?誰かと一緒じゃないのか?まさか一人で来たわけじゃないだろ?」
「へっ、こんな遺跡、ワイ一人だったら目を瞑っていても平気やで」
「ふーん、ま、どっかではぐれたってところか」
どう曲解したらそう解釈できるんや。コイツ、人の話をまるで聞いとらへんで。
女は腕を組んで何かを考えている。それにしてもこいつこそ、なんでこんな所に一人でおるんや。それに、さっきワイにナイフを突きつけた時の表情……。千と五十生きたワイも思わずゾクッときたで……。
「仕方ない、ここは一つ私がひと肌脱いでやるか」
女はパンと手を叩くとワイを見て微笑んだ。
「私が坊やの連れを一緒に探してやるよ。こんな危険な場所に一人で置いて行く訳にもいかないからな」
「いや、だからワイは一人で……」
「ホラ、行くよバッツ。ちなみに私の名前はトライだ。ちょっとの間だろうけど、よろしくな」
コイツ、ホンマに人の話を聞かへんな……。
「どうするニャ、バッツ」
「さあな、この流れは好きなようにさせるしかあらへんみたいやで」
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