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作品名:魔道士バッツ、目指せ酒池肉林! 作者:ヒロ

第9回   女盗賊トライ
 くっそー、なんやねんこの女。見た目は綺麗やけど性格は最悪やな。普通、初対面の相手にそこまで言うか?

「それにしてもバッツ、一体どうやってここまで来たんだ?誰かと一緒じゃないのか?まさか一人で来たわけじゃないだろ?」

「へっ、こんな遺跡、ワイ一人だったら目を瞑っていても平気やで」

「ふーん、ま、どっかではぐれたってところか」

 どう曲解したらそう解釈できるんや。コイツ、人の話をまるで聞いとらへんで。

 女は腕を組んで何かを考えている。それにしてもこいつこそ、なんでこんな所に一人でおるんや。それに、さっきワイにナイフを突きつけた時の表情……。千と五十生きたワイも思わずゾクッときたで……。

「仕方ない、ここは一つ私がひと肌脱いでやるか」

 女はパンと手を叩くとワイを見て微笑んだ。

「私が坊やの連れを一緒に探してやるよ。こんな危険な場所に一人で置いて行く訳にもいかないからな」

「いや、だからワイは一人で……」

「ホラ、行くよバッツ。ちなみに私の名前はトライだ。ちょっとの間だろうけど、よろしくな」

 コイツ、ホンマに人の話を聞かへんな……。

「どうするニャ、バッツ」

「さあな、この流れは好きなようにさせるしかあらへんみたいやで」


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