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作品名:魔道士バッツ、目指せ酒池肉林! 作者:ヒロ

第3回   バッツの呪い
 そう、あれは今から3年ほど前の話や。マールの持つ『英知の書』を手に入れるため、ワイは奴に勝負を挑んだ。千の魔法を持つ『サウザンド魔道士』の異名を持っていたワイや、もちろん負けることなんて考えてもいなかった。けど勝負は時の運、ワイはアイツのセコくて卑怯な手口に引っかかり運悪く負けてしもうた……。

 さらに奴は罰ゲームだなんだとぬかしてワイに呪いをかけよったんや。それは体が子供の姿になり、永遠に年を取らないって言うとんでもない呪いやった。

 イケメン魔道士バッツと言えば、歩くだけで花に群がるミツバチのように女が集まると言われておったのに、おかげで今じゃ子ども扱いされてまるで女に相手にされへん。このままでは、この世の英知と、名誉と、そしていい女を全て手に入れる『酒池肉林計画』が水の泡や!

 負けたワイはアイツに弟子入りするふりをして、この体の呪いを解くチャンスを今までうかがってきた。そして今日、ついにそのチャンスが到来したんや!

「いっつもそんなこと言っているけど、どうせ今回もあの時みたいに失敗するに決まっているニャ。バッツも懲りない奴ニャ〜」

「うるさいぞペケ!今回はホンマにマジなんや!この遺跡に眠ると言われている降魔の杖。ソレを手に入れてあのクソ生意気な女をギャフンって言わしたるでぇ!」

 ワイはマールにその降魔の杖を持って来いと言われこの遺跡にやってきた。だが杖を手に入れてもマールの奴に素直に渡すつもりはあらへん。逆にその杖の力でマールをぶっ倒し、アイツにかけられたこの体の呪いを解くんや。そうや、今日でこんな体とはオサラバやで!

 ワイは気合のガッツポーズをとった。

「逆にギャフンと言わされないよう、せいぜい頑張るといいニャ〜」

 あくび混じりにペケが余計な一言を言う。

 ……こいつは使い魔のくせにいっつも生意気な口を叩きやがって……。いつかアイツと一緒にギャフンと言わしたる……。


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