ワイはリングを外そうとした。だが鋼鉄製のリングはワイの腕力じゃ到底外せそうも無い。ワイはどんな鍵も開ける呪文『解除』を唱えた。だがリングは外れない。なんでやねん!
「フフフ、無駄よ。それは特殊な魔法をかけてある。簡単には外せないさ」
「このクソアマ、こんな物をワイにつけやがって!さっさと外せや〜!」
ワイはトライに飛び掛ろうとした。
「『戒めの電撃』!」
――バリバリバリバリ!!
「ほぎゃああああ!!」
トライの言葉に反応しリングから電流が流れる。感電したワイはその場に崩れ落ちた。
「ち、ちくしょ〜……」
「もう観念しなバッツ。私は欲しいものは必ず手に入れるんだ。お前は私のもの。絶対に逃がさないからね、フフフ」
トライはベロリとワイの首筋を舐めた。上目遣いのその妖絶な表情に、ワイはまるで蛇に睨まれた蛙のように硬直した。
「フフフ、それにその体で他の女に相手にされると思うのかい、坊や?」
「だ、誰が坊ややねん!ワイの体の呪いはもう解けたんやで!これからは薔薇色の酒池肉林生活が待っているんや!」
――ツンツン。
その時、ペケが後ろからワイの背中をつついた。
「バッツ……これを見るニャ」
ペケが悲しげな顔をして手鏡をワイに渡す。ワイはその時、自分の服がダブダブなのに気がつく。一瞬嫌な予感がしたが、手鏡を受け取ったワイは恐る恐る覗き込んでみた。そこには子供の姿のワイが映っていた。
「ふおおおおお!?子供に戻っとる!?」
「あの姿に戻れたのは『ペロリーメイト』の一時的な副作用だったみたいだニャ……」
ペケがため息混じりに残酷な事実を告げた。
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