20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:魔道士バッツ、目指せ酒池肉林! 作者:ヒロ

第25回   さらばイケメンバッツ!
 ワイはリングを外そうとした。だが鋼鉄製のリングはワイの腕力じゃ到底外せそうも無い。ワイはどんな鍵も開ける呪文『解除』を唱えた。だがリングは外れない。なんでやねん!

「フフフ、無駄よ。それは特殊な魔法をかけてある。簡単には外せないさ」

「このクソアマ、こんな物をワイにつけやがって!さっさと外せや〜!」

 ワイはトライに飛び掛ろうとした。

「『戒めの電撃』!」

――バリバリバリバリ!!

「ほぎゃああああ!!」

 トライの言葉に反応しリングから電流が流れる。感電したワイはその場に崩れ落ちた。

「ち、ちくしょ〜……」

「もう観念しなバッツ。私は欲しいものは必ず手に入れるんだ。お前は私のもの。絶対に逃がさないからね、フフフ」

 トライはベロリとワイの首筋を舐めた。上目遣いのその妖絶な表情に、ワイはまるで蛇に睨まれた蛙のように硬直した。

「フフフ、それにその体で他の女に相手にされると思うのかい、坊や?」

「だ、誰が坊ややねん!ワイの体の呪いはもう解けたんやで!これからは薔薇色の酒池肉林生活が待っているんや!」

――ツンツン。

 その時、ペケが後ろからワイの背中をつついた。

「バッツ……これを見るニャ」

 ペケが悲しげな顔をして手鏡をワイに渡す。ワイはその時、自分の服がダブダブなのに気がつく。一瞬嫌な予感がしたが、手鏡を受け取ったワイは恐る恐る覗き込んでみた。そこには子供の姿のワイが映っていた。

「ふおおおおお!?子供に戻っとる!?」

「あの姿に戻れたのは『ペロリーメイト』の一時的な副作用だったみたいだニャ……」

 ペケがため息混じりに残酷な事実を告げた。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 5203