顔を赤らめたトライが抱きついてくる。
「あんたに惚れちまったんだよ、バッツ。私も外の世界に一緒に連れて行っておくれよ」
耳に息を吹きかけながら、トライは体を押し付けてくる。ワイの胸にトライの胸が当たる。ワイのふとももにトライのふとももが当たる。
ああ……おっぱいが……ふとももが……。
「バッツ!しっかりするニャ!」
ペケがガブリと噛み付いた。その痛みで正気に戻る。いかんいかん、また同じ失敗を繰り返すところやった。ワイはトライを突き放した。
「誰がお前みたいな性悪女と結婚なんてするか!どうせまたワイを騙す気やろ!その手には乗らへんで!」
ワイがそう言うとトライは悲しげな顔をする。
「確かにそう思われても仕方ないかもな。私はバッツに酷いことしたから……。でも、この気持ちは本当なんだ。信じて欲しい。それにお前に断られたら私はもうどこにも帰ることができないんだ……」
う……急に萎らしくなりおって。ワイはそう言うのに弱いんや……。
まぁミラノ像との戦いの時にも色々と助けてもらったからな。根は悪い奴じゃないハズや。
「そうやな、結婚は無理やけど一緒についてくるくらいなら……」
「本当?ありがとうバッツ!私嬉しい!」
トライが再び抱きついてきた。ワイはトライの肩を抱き寄せる。
「フフフ、引っかかったね、バッツ」
「へ?」
ギラリとトライの目が光った。
――ガチャリ。
気がつくとワイの首にはデカいリングがはめられていた。
「な、なんじゃこりゃあ?!」
「結婚首輪」
「指輪じゃないんかい!」
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