「……一体ワイに何の用や……」
「とりあえず、ズボンくらい穿いたら?」
トライに言われ、慌ててズボンを穿く。
く〜格好悪いで!女にこんな姿見られるとは……!
「と、とにかくや!ワイに何の用やって言っとるのや!このクソアマ!」
ワイはトライに指を指し怒鳴り声をあげた。
「つれないじゃないか、バッツ。これが欲しいんだろ?」
トライは胸から降魔の杖を取り出し、目の前でちらつかせた。
「あ、それは!」
ワイが降魔の杖に飛びつくと、トライはサッと引っ込め意地悪く口元をニィと伸ばした。くそ、ムカつく顔やで!
「そんなにコレが欲しいならあげてもいいけど……ただし条件が一つある」
「条件やと?お前がそんなことを言える立場だとでも思っとるんか。ワイを誰だと思っとるんや、力ずくで奪ってもええんやで?」
ワイは凄みを利かせてトライを睨みつける。
「ふーん、天下の大魔道士バッツ様は、女相手に力ずくで話をつけるのか?」
くっ……。こんな時ばかり女とか言いやがって……。マールやお前みたいなのは女じゃないわい!ワイは歯軋りをしながら怒りを飲み込んだ。
「……条件ってなんや。言うてみい」
一応聞くだけ聞いてやるわ。どうせろくな条件やないやろうけどな。
「私と結婚しな」
「へ……?」
ワイの聞き間違いやろか、今突然トライにプロポーズされたような……。
「えっと……なんやて?よう聞こえんかったわ。もう一度言ってくれへんか?」
「恥ずかしいことを何度も言わせるな。私と結婚しろって言ってんだ」
トライの唐突なプロポーズにワイは開いた口が塞がらなかった。
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