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作品名:魔道士バッツ、目指せ酒池肉林! 作者:ヒロ

第22回   賞味期限切れ
――ピーゴロゴロゴロ……。

「はうっ!」

 突然ワイの腹を激痛が襲った。それは黄色い波となって一定感覚でワイの腹に押し寄せる。ワイは、のたうちまわりながら草むらへと駆け込んだ。

「見張っとけよ、ペケ!」

 草むらから顔を出しペケに指令を下す。ペケは鼻を押さえながら眉間にシワを寄せた。

――○×△※★$%&!!

「ふぅ〜。危うくこの年で後ろ指さされるところやったで……」

 絶対あの『ペロリーメイト』に当たったんや。なんせ賞味期限三十年も過ぎとったからなぁ。でもまぁ、思わぬ効果でこの体も元に戻ったし、これくらいは仕方あらへんかな。

「ペケ!紙!紙をくれや!」

「ホラよ」

「お、サンキュー」

 手渡された紙でケツをふく。ん、今の声、どっかで聞いたことあるような。目の前にはスラリと伸びた長い美しい足があった。ワイは見上げる。

「よお、バッツ」

 そこにはトライが立っていた。

「どわ〜!」

 ワイは半ケツ状態のまま草むらから飛び出した。慌ててズボンをあげようとするが、裾を踏んでさらに転ぶ。

「一体どうしたニャ、バッツ。熊でも出たのかニャ?」

「熊より怖い生き物がそこにおる!」

「ひどいこと言うじゃないか、こんな美人を捕まえてさ」

 トライが草むらから顔を出した。

「ギニャー!ト、トライ!?」

 トライの顔を見たペケは飛び上がると、ガタガタと震えながらワイの後ろにサッと隠れた。ペケの脅えようは尋常じゃない。ワイが気絶しとった間によほど怖い目にあったのだろうか?


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