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作品名:魔道士バッツ、目指せ酒池肉林! 作者:ヒロ

第21回   奪われた神器
「バッツ!バッツ!しっかりするニャ!」

「おっぱいが……おっぱいが……」

「何がおっぱいニャ!いいかげん起きるニャ!」

――バリバリバリ!

「ギャオス!!」

 突然の激痛に飛び起きる。目の前には爪を立て覗き込むペケの姿があった。

「あれれ?おっぱいは?」

「もう一度ひっかかれたいのかニャ?」

 シャキーンと爪を立てるペケ。

 視界がぼんやりとする。ワイは目をこすりながら辺りを見回した。目の前には遺跡の入り口があり、多数の冒険者達が行き来しているのが見える。ワイはいつの間にか外にいた。

「さっきのは夢やったのか……」

 気持ちいいことを……いやいや、嫌な事を思い出してもうた。あの時、油断しなければ今頃は酒池肉林だったのに……あ!

「そうや!降魔の杖!トライは?!アイツはどこに行った?!」

 ペケは首を横にふった。

「わからないニャ。オイラも気がついたらここにいたニャ」

 ワイは拳を思いっきり地面に叩き付ける。

「くっそ〜!あのアマ、最初から降魔の杖を横取りする気やったんや!道理で様子がおかしいと思ったで!」

「全く、バッツも本当に懲りない奴ニャ。その性格直さないと、一生女で苦労するニャ」

「ぐ……」

 悔しいけどペケの言う通りや。同じ失敗を二度も繰り返すなんて、ワイはなんてアホなんや……。いや、三回目かな?でもアレも加えると四回……あの子でも失敗しとるし……。

 ワイは頭を掻き毟る。あかん、女で失敗した数なんて数え切れんわ。ホンマにペケの言う通り、ワイは一生女で失敗する運命にあるのとちゃうか?!


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