「バッツ!バッツ!しっかりするニャ!」
「おっぱいが……おっぱいが……」
「何がおっぱいニャ!いいかげん起きるニャ!」
――バリバリバリ!
「ギャオス!!」
突然の激痛に飛び起きる。目の前には爪を立て覗き込むペケの姿があった。
「あれれ?おっぱいは?」
「もう一度ひっかかれたいのかニャ?」
シャキーンと爪を立てるペケ。
視界がぼんやりとする。ワイは目をこすりながら辺りを見回した。目の前には遺跡の入り口があり、多数の冒険者達が行き来しているのが見える。ワイはいつの間にか外にいた。
「さっきのは夢やったのか……」
気持ちいいことを……いやいや、嫌な事を思い出してもうた。あの時、油断しなければ今頃は酒池肉林だったのに……あ!
「そうや!降魔の杖!トライは?!アイツはどこに行った?!」
ペケは首を横にふった。
「わからないニャ。オイラも気がついたらここにいたニャ」
ワイは拳を思いっきり地面に叩き付ける。
「くっそ〜!あのアマ、最初から降魔の杖を横取りする気やったんや!道理で様子がおかしいと思ったで!」
「全く、バッツも本当に懲りない奴ニャ。その性格直さないと、一生女で苦労するニャ」
「ぐ……」
悔しいけどペケの言う通りや。同じ失敗を二度も繰り返すなんて、ワイはなんてアホなんや……。いや、三回目かな?でもアレも加えると四回……あの子でも失敗しとるし……。
ワイは頭を掻き毟る。あかん、女で失敗した数なんて数え切れんわ。ホンマにペケの言う通り、ワイは一生女で失敗する運命にあるのとちゃうか?!
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