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作品名:魔道士バッツ、目指せ酒池肉林! 作者:ヒロ

第18回   イケメン魔道士、復活!
 ワイは黒焦げになっているミラノ像に近づいた。また復活されても困るからな、ちゃんと動かないかどうかを確かめねば、用心するに越したことは無いで。
足の先でツンツンとミラノ像をつつく。ミラノ像はガラガラと音を立てて崩れ落ち、残骸の中から眩い光を放つ杖が現れた。

「これは……」

 杖の先は丸く表面には眩い宝石が多数ちりばめてある。ワイが杖を取り強く握り締めると杖はブルブルと小刻みに震えた。この神々しさ……間違いない、これが伝説の神器『降魔の杖』や!ついに手に入れたで!

「やったニャ、バッツ!」

 安全になったことがわかったペケが、飛びついてきた。全く今まで隠れておったくせに現金なやっちゃで。でもまぁ今回はこいつのおかげで助かったようなもんやからな、大目に見てやるか。

「ペケ、お前は凄い使い魔や、大手柄やで」

 ペケは意味がわからず首をかしげていた。

 それにしてもさっきから体の調子がすこぶるいい。呪文のキレも威力も、まるで全盛期に戻ったようや。これも『ペロリーメイト』の効果なのやろか?

「伝説の神器も手に入れたし、おまけにバッツの呪いも解けたしで万々歳ニャ!」

 動かなくなったミラノ像の残骸に、とどめの蹴りを入れていたペケが興味深いことを言った。……呪いが解けた?

 部屋の隅に放置されていたリュックを見つけ、急いで手鏡を取り出すと、ワイは慌てて自分の顔を見た。そこにはこの世のものとは思えない程の美男子が映っていた。

「戻っとる!イケメンバッツ時代のワイの姿に戻っとる!」

 戦いに集中して気がつかへんかったけど、ブカブカのズックの服もピッタリサイズやし、声変わりもしとる。道理で調子がいいハズや、元の姿に戻ったんやからな。

 ペロリーメイトのおかげか、それとも他の何かのおかげかは知らんけど、これで酒池肉林計画も復活や!


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