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魔術的リアリズムに初めて対峙して 評価・オススメ度 ★★★★★
名前 TAMA 性別 Guest 年齢 Guest
投稿日時 2007/06/29(Fri) 10:17 更新日時 2007/06/29(Fri) 10:17
主人公ともいえる大統領の腹心の登場を描写するときに何度も挿入される
「魔王(サタン)のように美しく、…」というフレーズが印象に残る。
私はキリスト教徒ではないのでピンとこないが、
「魔王」と「美しい」をつなぎ合わせることは、
化学の授業で「この薬品同士は絶対に混ぜないこと!」
と言われていたものを混合し、教室を吹っ飛ばしてしまうような
危険であり魅惑的な第一印象を
作者の出身地グアテマラや欧米の多くの国の読者は感じたのではないか。

一方、今の日本の実態からこの物語に対するとき、
日本の現実からは遠く離れている、と言い切れるか?
改めて北朝鮮を挙げるまでもなく、ほんの60数年ほど前までは、
わが国でも不当逮捕や処刑や圧政が統治者の名においてなされていたのは事実。
また現代の日本でも、天下り官僚や公金感覚に欠けた政治家がのさばる様子は
小説中のワイロの横行や太鼓持ちの役人がのし上がる様と全く変わらない。
作中の登場人物が流す涙と、現代の我々が不条理に直面して流すにがい涙と、
それほど違いがあるとは思えない。この小説の主題は、対岸の火事ではない。

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