書評などのレビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた




原信夫の人生は戦後の日本史 評価・オススメ度 ★★★★★
名前 KAWA 性別 Guest 年齢 Guest
投稿日時 2009/08/09(Sun) 19:06 更新日時 2009/08/09(Sun) 19:06
ジャズのことはあまり詳しくない。しかし、戦後進駐軍クラブにおけるフルバンドへの思い入れはある。その時代、彼らは大いに人気があった。もしかすれば今のアイドル並みに女性たちからモテた。我ら男どもにとっては、いつも豪華な伴奏をつけてくれるスマートで優秀なダンスミュージックの楽士たちであった。表面だけでも精一杯に豊かさを装ったあの時代の体験は、今でも吾輩の自慢のネタである。その後乱立したナイトクラブやキャバレーも、彼らの演奏なくしてはあの異常なほどの隆盛はなかった。
そんなフルバンドの代表格であるシャープスの歴史をひもといたこの本は、そんな戦後復興時の日本に特有な、けっしてジャズに詳しくない我々をも納得させるゴージャスで活気のある空気を甦らせてくれる。昭和歌謡好きの吾輩にとって、美空ひばりとの様々な逸話はことに興味深い。ひばりの音楽にシャープスがどれほどの貢献をしてきたか、この本を読んではじめて知らされる事実も多々、原信夫作曲の「真赤な太陽」が誕生するまでのいきさつはそれこそスクープと言ってもよかろう。

詳細を見る



前の画面に戻る