「たべもの芳名録」3
著者 神吉拓郎
出版 文春文庫
p14より引用
“つまり、すしは一品だが、そのなかに、
ありとあらゆる美味を具に盛り込んでしまえば、
お布令に反することもなく、
充分御馳走が堪能出来るというのが町人の知恵である。”
小説家である著者による、
食べ物に関するエッセイをまとめた一冊。
ジャガイモ等身近な物からふぐ等年に一度食べるかどうかの、
ご馳走まで、
独特の文体で訥々と描かれています。
上記の引用は、
岡山のすしに関する一文。
人はおいしい物にありつく為には非常に知恵が回るようです。
おいしい物を食べる為に頭を使い、
食べた栄養でまた頭が良く回る、
好循環の見本のようです。
昭和初期生まれの方の、
年季の入った語彙の選び方・使い方に、
驚きを隠せません。
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